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2019年3月25日のマーケット・コメント

ハト派シフト効果は早くも賞味期限切れか

 

3月のFOMCを受けた前回のコメントで、「ただ「これ以上」が無くなり、ハト派シフト効果の賞味期限が懸念されるステージに入った、とも言えるでしょう。」とご説明しましたが、その当日の米国市場で早くも賞味期限切れの動きとなりました。金曜日の米国市場では景気減速懸念が台頭し、米国株は大幅下落、米国債券は大幅上昇(金利低下)、米ドル下落となりました。特に注目されるのが米国10年国債利回りで、2.54%から2.44%に一気に低下し、3ヶ月利回りの2.46%を下回りました。いわゆる「逆イールド」状態です。

 

最近この逆イールドが注目されており、逆イールド発生から約1年後には景気後退局面入りしてきた、などとされています。ただこの件に関して注意していただきたいのは、逆イールド状態が景気後退の「原因」になるわけではない、ということです。現在のように、利上げ期間を経過して、景況感悪化が懸念される(当然インフレ懸念は存在しない)状況では、投資家のリスク回避的行動により、株は売られ中長期債券は買われます。つまり、景気減速懸念の「結果」として、逆イールド状態になるのです。

 

過去6ヶ月を振り返ると、10月から世界的な景況感悪化が懸念され始め、世界的に株式市場の下落が始まり、12月FOMCでの利上げ決定で、景況感悪化懸念と株の下落はピークに達しました。その後、年明けからFRBのハト派シフト表明が始まり、景況感悪化懸念よりもハト派シフトを評価して、世界的に株式市場は戻り歩調をたどりました。そして3月FOMCで想定される最大のハト派シフトが表明されましたが、市場の好反応は1日限りとなり、「そこまでしなくてはならないほど、先行きの景況感は悪い」との評価に変化し始めたわけです。

 

4月になれば1-3月期業績発表が行なわれ、日本では3月決算の企業が2019年度の業績見通しを発表してきます。おそらく多くの企業が「上期慎重、下期回復」という内容の業績見通しを発表し、当初は市場では「会社側の業績見通しは最低線」との評価をしたがるでしょう。しかし下期回復どころか、実際には下期は更に悪化する可能性が高く、景気敏感業種の2019年度業績は相当な減益となる見通しです。3ヵ月ごとの業績発表のたびに、2019年度の業績の目線が切り下がり、それにあわせて株価下落する展開を想定します。

 

日本株は本日の大幅下落の動きで、3月4日と3月22日に戻り高値をつけた形になり、日経平均は75日移動平均線(現在21,034円)やフシメの21,000円を下回ってきています。目先のシナリオですが、以下が考えられます。

1.75日線や21,000円を下抜ける動きは「だまし」となり、21,000円台のもみ合いに戻る。

2.2月8日の安値20,315円トライまで下落し、そこで止まらなければ20,000円トライまで下落する。

3.12月26日の安値18,949円トライまで下落する。

4.過去の大きな下落1波動と同様に、直近高値から13-17%下落する。今回で言えば、3月22日の高値が21,713円だったので、13-17%下落は18,022-18,890円。

 

米国債券市場の動きを見ると、株式市場だけが「何事も無かった」という状態に戻るとは考えにくく、1.の可能性はほとんどないと見ていいでしょう。また、実際の業績悪化を1-3月実績や2019年度見通しを見て、ある程度定量的に織り込めるまでは3.4.の可能性も限定的だと思われます。(業績発表がある程度進行したゴールデンウィーク明けには、3.4.の動きになる可能性は高まると思いますが。)したがって、メインシナリオは2.とし、業績発表が本格化するまでの向こう1ヶ月は、20,000円トライまで下落した後、20,000-21,000円での推移を想定します。