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2019年4月25日のマーケット・コメント

10連休中のドル円急落リスクの考察

 

いよいよ今週末から、史上初の10連休が始まります。あちこちで10連休中のドル円急落リスクに関する記事を見ますので、今回それを考察します。まずポジション状況ですが、最新の4月16日時点でのシカゴ筋ポジション(非商業ベース)は、円ショートが118,913枚、円ロングが31,807枚、差し引きのネット円ショートが87,106枚となっています。これは1月3日のドル円急落直前の1月1日時点の、それぞれ121,335枚、32,712枚、88,623枚とどれもちょうど同水準です。したがって、ポジション状況からはドル円急落リスクはある、と言えるでしょう。

 

次に急落のきっかけとなりえる連休中のイベントですが、5月1日のFOMC、5月3日の雇用統計が挙げられます。4月30日にアップルの業績発表がありますが、今回はドル円を動かすきっかけにはならないでしょう。(1月3日の急落の時には、アップルの業績下方修正発表が、急落のきっかけと言われました。)最も可能性が高いと思われるのはFOMCで、前回は「次の金利政策変更は利上げも利下げもあり得る」としていた表現を、もう一段ハト派寄りに変更して「次の金利政策変更は利上げよりも利下げの可能性の方がやや高い」という趣旨の表現に変更した場合です。ただ、米国株が史上最高値にある中で、そのような表現変更は考えにくく、イベントが急落のきっかけになる可能性は低いでしょう。

 

更に市場全体のリスク許容度を考えます。1月3日は、12月に世界的に株が大幅下落した直後で、結果としては底打ち反転の初期でしたが、当時は更なる下落リスクを感じていた市場参加者も多かったはずで、リスク許容度としては完全に「リスク・オフ」でした。しかし現在は、米国株は史上最高値、米国債券も安定、日本株を含め各国株式も年初来高値水準にあります。「リスク・オン」とは言えないまでも、少なくとも「リスク・オフ」ではありません。この点からも急落の可能性は低いと言えます。

 

最後に、最も重要な点が、市場参加者の準備です。1月3日の時は、5円幅の急落が起こるかもしれない、ということに対して準備していた人はごくわずかだったでしょう。(105円割れで急落が止まったということは「いつか2018年3月安値水準までの急落があるかもしれない」と考えていた人が存在した、ということだとは思います。)今回は、1月3日の記憶と10連休中の急落リスクに関する多くの記事により、相当に多数の人が急落に対する準備をしているでしょう。多数の人が準備している事は起こる可能性はまず無いと言え、もし何らかの原因(突発的なニュースフロー)で急落的な動きとなった場合も、値幅はせいぜい1-2円(最大で110円割れ程度)でしょう。

 

結論としては、10連休中のドル円急落の可能性は低いと思われるものの、念のため値幅を欲張らない水準で指し値買いを入れておく、ということになります。