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2019年5月10日のマーケット・コメント

対中関税率引き上げ発動-交渉は長期化へ

 

昨日のコメントで予想した通り、結果は「関税引き上げ&交渉継続」となりました。米国時間10日も交渉を続けるとされていますが、今回合意に至る可能性は極めて低いと見ていいでしょう。米中両政権ともに交渉合意という政治成果は得たいものの、ここまで合意がなされていないことを考えると合意に至る可能性は低いと考えることが自然です。そうすると「合意」「交渉継続」「交渉決裂」という3つのうち、「交渉継続」か「交渉決裂」かどちらかということになりますが、今後の展開としては、交渉長期化の可能性が最も高いでしょう。

 

両政権ともにいつでも「交渉決裂」という決断は出来ます。しかしトランプ大統領としては、自らの決断で決裂を選んだとなれば、重要な外交交渉に痺れを切らしてキレた、ということになり、来年の大統領選挙に悪影響となります。トランプ大統領としては「米国は粘り強く交渉しているが、中国側が歩み寄らないため(中国のせいで)合意に至っていない、とし続けることが、自らの立場にとって都合がいいでしょう。

 

習主席にとっても同様でしょう。「米国の圧力に屈することなく粘り強く交渉を続けているが(米国のせいで)合意に至っていない」とし続けることが、自らの立場にとって都合がいいでしょう。今回の関税率引き上げに対して、中国が対抗措置を用意している、と伝えられていますが、形ばかりの報復措置となる確率が50%、報復措置は検討中として何もしない確立が50%と見ます。重大な報復措置を取る事は、中国側が交渉決裂を選択した、という図式になってしまうからです。(中国は外交オンチなため、この選択をする可能性はゼロとはいえないかもしれませんが。もしそうなったら、世界市場は大混乱となるでしょう。)

 

結論としては、昨日のコメントでご説明した通り、

「短期的には米中合意期待により株式市場が上昇を始める前の2月前半の安値水準までの下落が想定され、日経平均で言えば20,500円程度、NYダウで言えば25,000ドル程度までの下落が想定されます。そのときのドル円は110円割れの水準であり、現状水準からの下落余地はほとんどない、と言えます。一時的なショックにより1月30日FOMC後の安値である109円割れとなる可能性は否定できませんが、そこは絶好の買い場と捉えるべきでしょう。」

という見方から変更ありません。