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2019年7月11日のマーケット・コメント

ドル円の107円台は買いとの見方は不変

 

昨日、パウエルFRB議長の議会証言が行なわれました。パウエル議長は「米国経済の見通しについては、貿易問題での緊張をめぐる不確実性と、世界経済の強さに対する懸念が引き続き重しとなっている」「雇用統計が強かったことは素晴らしいニュースだが、インフレ率を押し上げるほど賃金が急ピッチで増加していない」と発言しました。これを受けて市場では、7月31日FOMCで0.25%の利下げが行なわれるのは確実と受け止められ、年末限りのFFレート先物は1.825%から1.755%に低下(年末までの利下げ幅は前日の0.585%から0.655%に上昇。昨日の実効FFレート2.41%との比較)しました。米ドルは下落、米国株は小幅上昇、米国10年国債利回りは横ばいでした。

 

ドル円は昨日109円トライの動きとなりましたが抜けず、パウエル証言を受けて下落し、現在は108円トライの動きとなっています。しかし、前回のコメントでご説明したように、107円台は買い増しの好機という見方に変更ありません。パウエル証言の前から、市場では「7月31日FOMCでの0.25%の利下げ」は100%の確率で織り込まれており、逆にパウエル証言で0.50%幅での利下げの確率は排除されました。

 

9月以降の年内の利下げ姿勢に関しては、7月31日FOMCの声明文が出てくるまでは不明であり、声明文では「9月以降も状況に応じて適切な対応を取る」としてくる可能性が高く、年内にあと1回の利下げが示唆されても、2回の利下げが示唆されることはないでしょう。つまり、市場が織り込む年末時点のFFレートは現状から0.50%低下の1.91%に向けて上昇すると想定されます。

 

リスク要因は、トランプ政権が当面発動猶予している3,000億ドルの中国製品に対する関税発動を再び打ち出し、景況感が一層悪化することですが、関税発動をめぐるこれまでの経緯を踏まえると、猶予期間は短くても90日は与えられると思われます。発動猶予決定が米中首脳会談があった6月29日だったことを考えると、関税発動の打ち出しは9月末以降となります。次々回FOMCは9月18日なので、その時点までの関税発動はない、ということです。

 

7月31日FOMCの市場予想が固まった以上、それはもはや市場変動要因にはなりえず、今月の市場変動要因は米国では来週から、日本では再来週から本格化する企業業績発表でしょう。日本ではトップバッターとしておなじみの安川電機(6506)が、本日16時に業績発表を行なう予定です。発表後に内容をお伝えする予定です。