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2019年9月30日のマーケット・コメント

米国による新たな中国攻撃手法報道-実現なら中国企業に大打撃

 

本日、ブルームバーグから米国の新たな中国攻撃に関する衝撃的な報道がありました。報道では回りくどい表現になっていますが、あえて直接的表現で表現すると、要旨は以下の通りです。

1.米国の年金資金に中国企業への投資を禁止する。

2.米国株式市場への中国企業の上場を認めない。

3.米国企業が集計・発表する株式市場指数から中国企業を排除する。

 

もしこれらが実行されれば、中国株は大暴落となるでしょう。これらが実行された場合に起こると想定される事態は以下の通りです。

 

1.中国企業は米国年金からの投資を受けられなくなります。もしすでに米国年金が保有している中国企業株や中国企業社債があれば、売却を強制されることになります。この措置の対象は「米国の年金」に限定されるため、それ以外の世界中の資金からの投資は受けられることになります。ただ米国年金資金が売却する見通しとなれば、それ以外の資金(少なくとも中国以外の資金)は、売却に動く可能性が高いでしょう。

 

2.中国企業は米国株市場での資金調達ができなくなります。米国株市場以外での上場は可能なので、米国以外の株式市場からの資金調達は可能です。もし将来有望な中国企業が海外(中国以外)からの資金調達を行なおうと思えば、米国以外の株式市場に上場すれば資金調達は可能です。現在すでに米国株市場に上場している中国企業をどのように扱うかについては、報道では触れられていませんが、即座に上場廃止となる可能性は低いでしょう。(米国の自由資本主義の考え方と、あからさまに相反するため)

 

3.上記3つのうち、これが中国株に最もネガティブな影響を与えるでしょう。世界各国の中長期資金(年金や各種基金など)の運用では、指数そのもので運用するパッシブ運用と、指数をベンチマーク(比較基準)としてそれを上回る運用成果を目指すアクティブ運用があります。指数から排除されるということは、パッシブ運用では問答無用で組みいれからはずされ(売却され)ます。アクティブ運用でも、ベンチマークに入っていない資産を組み入れることはリスクであり、リスクに見合ったリターンが期待できない限り行なわれません。上記1.の需給懸念があれば、(例外的な超優良中国企業株を除けば)中国株に高いリターンは期待できず、高い確率で組み入れからはずされ(売却され)ます。この対象となる資金は、米国に限定されず、世界中の中長期資金となりますので、その影響は巨大なものになります。

 

企業にとって株価下落は、資金調達力の低下に直結します。もし米国が本当にこれらの阻止の実行に踏み切れば、中国企業の資金調達力の低下を通じ、中国の実体経済に悪影響となるだけでなく、中国企業と取引している海外(中国以外の)企業の業績にも巨大な悪影響を及ぼすことは確実です。本日の中国株は小幅安に留まっており、これら措置の実現をまだ市場はほとんど全く織り込んではいませんが、中国企業の米国株市場への上場禁止について、米財務省が「現時点では考えていない」とわざわざ「現時点で」と限定したことに、これら措置の実現性を感じます。