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2011年10月13日のマーケット・コメント

短期見通し-前回の続き

 

前回のレポートで、短期的に3つのシナリオがあることをお伝えしました。その後、米国株式の日中の乱高下は無く、リバウンドの動きが続いています。日本株も8月9月のリターン・リバーサルの動きになっており、特に9月に売り込まれた銘柄の戻りは強烈です。あらためて、現時点での短期見通しをお伝えします。

 

前回の3つのシナリオのうち、1.の可能性は無くなったと考えています。米国株の日中の値動きが安定してきたことに加えて、戻りがほぼ1日2日で終わった9月と違い、ここ1週間リターン・リバーサルを原動力にするリバウンドの波動が続いていることがその理由です。特に今週に入り、ショートの買い戻しばかりではなく、明らかに買いが入ってきています。

 

そうなると2.なのか3.なのかということですが、まだ米国企業の業績発表がほとんど出てきていないので、その結論は出せません。いち早くアルコアが業績発表をし、内容は予想を下回るものでした。それに対する株価の反応は、最初5%売られていたものの値を戻し、一時変わらずまで行って結局2.5%安で引けました。これだけでは予想以下の決算にはネガティブに反応するが市場全体の上昇に助けられたのか、悪材料出尽くしの反応なのか判断できません。来週以降の業績発表に引き続き注視します。

 

直近の戻りは、あくまでも「売られすぎの反動の戻り」と多くの人が考えているであろうことを勘案し、現時点でメインシナリオとして考えているのが、来週いっぱいくらいここ1週間の流れの延長のリバウンドが続き、日経平均は9,000円近辺までの上昇にとどまるが、9月に売り込まれた銘柄の戻りはまだ道半ばである、というものです。つまり、2.と3.の2.寄りの間です。リターン・リバーサル銘柄の戻りのめどは、8月末の株価です。9月に売られた分は「売られすぎ」の分だと考えられることに加え、テクニカル的に多くの銘柄でちょうどその水準に75日移動平均線があり、7月の高値から直近付けた安値の3分の1から半値戻りの水準です。

 

業績発表に対する反応は、最初(来週)は悪材料出尽くしになるが、株価が戻った後、再来週以降はネガティブなものに変わる、と考えています。加えて、以前お伝えしたように、11月は需給が再び悪くなります。知っている人は知っていることなので、1週間くらい前倒しで、再来週から11月の下げに備える動きが出てくることも予想されます。

 

したがって、短期で動く方は、あと1週間くらいリターン・リバーサルを取りに行けると思いますし、そこまで短期で動けない方は、11月後半から12月に来るであろう買い場を待つ、またカラ売りができる方は、来週から再来週にリターン・リバーサル銘柄が戻りきったと思われるところで、業績が下方修正になりそうな電機、機械などの銘柄をショートする、ということになろうかと思います。