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2011年10月18日のマーケット・コメント

短期的な景気敏感株シフト

 

10月17日の米国株は、久しぶりの2%を超える大幅下落となり、18日の日本株も下落しています。ただ、以前の下落局面とは、相場つきが明らかに違っています。

8月以降これまでの下落局面では、例外なく景気敏感株が下落を先導していました。しかし本日は、寄りつきは景気敏感株が下落を先導したものの、その後はじわじわと値を戻し、逆に内需株が寄り付きからじわじわ売られ、日経平均は寄り付きからほぼ変わらず、となっています。

 

これは明らかに8月9月に株価のパフォーマンスが良かった内需株から、8月9月に株価のパフォーマンスが悪く、10月6日以降株価の戻り波動が続いている景気敏感株への資金シフトが背景にあると思います。ただ、戻り局面での出来高が多くないことから、中長期投資家の本腰を入れての資金シフトというよりは、短期投資家中心の資金シフトだと思われます。米国では本日からアップル、インテルなど注目企業の業績発表が始まることを考えれば、中長期投資家は業績を見てからでないと動きにくい、ということもあるでしょう。

 

日本でも昨日の安川電機を皮切りに、来週には多くの企業の業績発表が出てきます。安川電機は、ほぼ事前予想通りの下方修正を発表し、本日の株価は寄り付きは大幅下落したものの、悪材料出尽くしとの見方から寄り付き直後の安値から10%も戻しました。前回のレポートでお伝えしたように、上述の資金シフトの動きもあり、やはり業績発表初期は悪材料出尽くしの株価反応になりそうです。

 

日本では来週からが業績発表本格化ですが、米国では今週(本日)から業績発表本格化ですので、悪材料出尽くしの反応になる「業績発表初期」は、今週だけの可能性が高いと思います。つまり、日本企業の業績発表が出てくるころには、業績の下振れや下方修正にはストレートに反応してくるようになるのではないか、ということです。

 

もちろん、スイッチが切り替わったように来週から株価の反応が変わる、ということではありません。ただ、目先の戻りを取りに行っている方は、ちょっとだけ早いかもしれませんが、今週中に手じまっておいた方が安全だということです。市場参加者はみんな分かっていることだと思いますが、景気敏感株の業績発表の内容は、ほとんどが「予想通り&通期見通し据え置き」か「通期見通し下方修正」になるわけですから。