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2011年11月24日のマーケット・コメント

日経平均年初来安値更新

 

23日の欧米株式市場は大幅下落となり、日経平均もついに震災直後のざら場中に付けた年初来安値を更新しました。

 

ドイツ国債入札で、応札額が募集額に満たない、いわゆる「札割れ」したこと、約1兆円の仕組み債の発行残高があるノルウェー輸出金融公社の格付けが、一気に投資不適格まで7ノッチ格下げされたことという2つの衝撃がありました。

ドイツ国債入札での札割れは、グローバル投資家の予想以上のユーロ離れを、ノルウェー輸出金融公社の格下げは、今後仕組み債の販売ができなくなったことを意味し、新たな悪材料であることに間違いありません。

 

そうは言いながら、短期的な相場見通しは基本的に変わっていません。依然として、短期投資家中心のボックス相場が続き、現状水準はボックスの下限に近い、と考えています。ただ、ボックスのレンジ想定を下方修正しました。8月の大幅下落の後、日経平均は8,500円-9,000円を中心に上下150円突き出るレンジ(8,350円-9,150円)で推移してきました。これが300円下方に修正され、8,200円-8,700円が中心でやはり上下に150円程度突き出る8,050円-8,850円というレンジに変わったと見ています。

 

新たな悪材料を受けても、ここまで様子見を続けてきた中長期投資家が、現状水準の株価から株式の更なる削減をしてくるとは思えず、目先は短期投資家主導でのリバウンドの可能性が高いと思っています。ただ、直近の流れを受けて「戻ったら更に株式を減らそう」と考え始めている中長期投資家が増えてきていると思われますので、戻りの高値は以前より低くなってしまう、と考えています。

 

戻りをどのような銘柄で取るかですが、以前お伝えしたように「カラ売りがたまっている銘柄」か「業績にあまりケチがついていない大型優良銘柄」だと思います。どちらも直近、株価が比較的堅調なものが多いですが、ここのところ大幅に株価が下落している「業績にケチがついた2番手3番手銘柄」で戻りを取りに行くことはお奨めしません。そのような銘柄の多くは、信用残の取り組みが悪いものが多く、短期投資家主導の相場(=順張り相場)では戻りにくいと思われる上に、もし市場がしばらく安値圏で推移した場合、大きく下落したところからさらに大きく下げる可能性があるからです。