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2011年11月29日のマーケット・コメント

ボックスの中での戻り相場

 

欧州諸国の新発国債消化懸念が一段落し、株式市場は戻り始めました。11月ずっと下落基調で年初来安値を更新するまで下落した日本株も、戻り相場がスタートしたようです。

 

ただ、依然として売買代金は盛り上がっておらず、中長期投資家は様子見を続けていることがうかがえます。したがって、目先の株式市場の上昇は、あくまでも短期投資家中心の「ボックス相場の中での戻り」と割り切ったほうがよさそうです。

 

戻りのめどですが、値幅としては日経平均で言うと、メインシナリオとしては75日移動平均線近辺であり10月後半にもみ合った水準である8,700円-8,800円を想定しています。最低でも10月11日から11月9日までの安値であり25日移動平均線超えとなる8,600円台には到達し、米国の経済指標やクリスマス商戦などでポジティブなニュースフローが続けば、最大限9,000円手前まではあり得ると考えられます。これまでのところ米国クリスマス商戦は好調が伝えられており、今週末の米国雇用統計も改善が予想されています。

戻りの期間としては2-3週間、すなわち12月12日の週当たりで戻りのピークを付けるだろうと考えています。ただしボックス相場という前提ですから、期間やタイミングの想定よりも値幅の想定の方を重要視すべきです。

 

投資行動としては、日経平均で8,600円台から徐々に買いベットを減らし、8,700円-8,800円で買いベットは解消、さらに上がるようであれば徐々に売り上がって売りベットを増やす、ということになろうかと思います。トレーディング能力の高い方は、売り上がらずにピークアウトを確認してから一気に売りベットを取る、という方法でもいいと思います。

ただ、ピークアウトしてからも年内はそれほど大きく下がらない可能性が高いと思いますので、あくまでも短期トレーディングの範囲での売りベットにとどめておくべきでしょう。

 

以前もお伝えしたように、中長期投資家は通常、四半期ごとに資産配分の見直しを行います。従いまして、年明けの相場状況には要注意です。売買代金が増えて、上か下に動くようであれば、それは中長期投資家が株式への資産配分を増やす(上に動いた場合)、あるいはさらに減らす(下に動いた場合)決断をした可能性が高いため、その流れに逆らうのは得策ではありません。売買代金が依然低調であれば、中長期投資家は様子見継続で、ボックス相場継続、ということになります。

 

追伸:このレポートは29日の前場中に書きました。後場にこんなに強くなるとはびっくりです。最低限の上値めどまで、日経平均であと200円という水準まで上がってしまいました。このような動きは、やはり短期投資家中心相場であることの表れだと思います。