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2011年11月4日のマーケット・コメント

ギリシャでの国民投票-その2

 

前回のレポートで、ギリシャでの国民投票に対する見方をお伝えしましたが、状況が変化していますので、続編です。

 

現在のパパンドレウ政権は、内閣不信任案可決によるのか、それとも独仏の圧力を受けてその前に自ら辞任するのか、いずれにせよ近日中に辞任しそうです。その後は、野党と連携して財政緊縮案を受け入れる大連立政権が出来上がり、国民投票の実施は見送られる公算です。

 

しかし、ひとたび「国民投票」というカードを政府が提示してしまった以上、やっぱりやりません、でギリシャ国民が納得するとは思えず、デモや暴動が激化するのは目に見えています。政治家は、結局は自国民を向かざるを得ないので、暴動を鎮静化する、という大義名分のもとで、ふたたび国民投票実施ということにならざるを得ないでしょう。

 

したがって、国民投票回避ということで株価がリバウンドしているところは、絶好の売り場だと思います。株価の水準を見ても、日本は依然として対して戻っていない水準ですが、欧米、特に米国株は再びNYダウは200日移動平均線や12,000ドルを越えた水準まで戻っています。先日のFOMCでは、必要な時には追加措置を取る、ということでした。言葉を変えると、景気懸念が再び台頭して株価が大きく下げない限り何もしません、ということです。

 

このレポートは雇用統計発表の前に書いています。雇用統計など今後発表される経済統計で、米国株が今の水準から再び下落する可能性の方が、今の水準よりもさらに上に押し上げられる可能性よりもはるかに高いと思います。

 

下落余地については、以前お伝えした考えと変わらず、目先の下落で10月の安値を更新するとは思っていません。ただし、もしギリシャで新政権誕生、国民投票回避、米国経済指標も堅調、などで「これでなんとかなった」というセンチメントになり、中長期投資家の買いが入る形で市場の戻りが続いた場合、その次の下落で安値を更新するエネルギーができていきます。今はまだそのエネルギーはありません。