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2011年12月6日のマーケット・コメント

ピークアウトはもう少し先か

 

ご存じのように、格付け会社のS&Pが欧州各国国債を格下げする可能性から米国株式が上げ幅を縮小したことを受けて、本日の日本株は下落しました。

 

ただ、ボックス相場の中でのピークアウトはまだで、目先はもう一段上昇し、その後にピークアウトする可能性が高い、と見ています。

 

一つ目の理由は、米国株が「欧州各国格下げの可能性」というネガティブ・ニュースフローを受けても、それほど下がらなかったことです。米国株はすでに過去2カ月のボックス・レンジの上限近い水準ですから、これまでそうだったように、もしピークアウトするのであれば、もっと大きく下げていたはずです。

雇用統計の改善や好調な消費など、米国独自の好材料が下支えしたと思われ、それらが織り込まれ切ってしまうまでにはもう少し時間が必要だと思われます。したがって、現水準から大きく上昇はせず、高値水準でのもみ合いがしばらく続くかもしれないにしても、米国株のピークアウトはもう少し先の可能性が高いと思います。

 

二つ目の理由が、今日の日本株市場での中身(銘柄ごとの株価の動き)です。大きく売られている銘柄は、ここ直近で大幅に上昇した低位中小型株で、ファナック(6954)やホンダ(7267)のような大型景気敏感銘柄は、株価の下落は限定的でした。中長期投資家が動いてない短期投資家中心の相場ですから、そうなるのは当然なのですが、重要なのは本日大きく下落している低位中小型株も、ここまでの上昇幅の割には下落幅は限定的であったことです。「上げきってピークアウト」というよりは、「上げきる前のスピード調整」というように見えます。

 

言うまでもないことかもしれませんが、一つ目の理由の方が圧倒的に重要で、米国株が明確にピークアウトしてしまったら、日本株も当然追随してピークアウトしてしまうでしょう。

 

ピークアウトの水準、タイミングのイメージは、前回お伝えした通りで、変化はありません。