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2011年9月22日のマーケット・コメント

FOMC通過

 

日本時間の22日早朝にFOMCの内容が発表になりました。内容はほぼ事前の予想通りだったにもかかわらず、米国株式市場は内容の発表を受けて急落しました。FOMCにポジティブ・サプライズを期待している投資家は少ないと思っていましたが、76円割れをうかがう為替の動きや、米国株式市場の急落を見ると、それなりの数の「短期」投資家が期待していた、ということになります。

しかし、10月にはFOMCは予定されておらず、これでしばらくは「追加金融緩和期待」は市場の変動要因にはならず、10月第1周に発表されるISM指数や雇用統計などの米国のマクロ経済指標と、10月半ばから発表される米国企業の7-9月の業績発表および10月以降の業績見通しが、市場の変動要因になるでしょう。

 

マクロ経済指標ですが、2つの理由から市場へのインパクトはポジティブなものになる可能性が高い、と考えています。

一つ目の理由は、言うまでもないことかもしれませんが、市場平均の予想値がかなり低くなっており、また市場の期待感も明らかに低くなっている、ということです。

二つ目の理由は、季節調整係数による数値のゆがみの解消です。米国の経済指標は過去5年間(現在は2006年-2010年)の季節変動の平均を取って、季節調整係数として指標を調整しています。リーマン・ショックのあった2008年までは、4月-8月に経済活動が盛り上がり、12月-3月に経済活動が落ち込む、というはっきりとした季節性がありました。5月-6月ごろに税金の還付があったとか、9月から新学年が始まる、という要因が背景にあったと思われます。しかし、2009年以降この季節性は変動が非常に小さなものになっています。つまり、5年間のうち3年間は現在よりも大幅な季節変動があり、それが現在の季節変動係数に反映されてしまっている、ということです。その効果は、4月-8月は必要以上に下方に季節調整し、12月-3月は逆に必要以上に情報に季節調整する、ということになります。9月からは8月まであった数値の必要以上の下方調整がなくなるのです。

 

10月半ばからの米国企業の業績発表には、以前もお伝えしたように「先行きピークアウト感」が出てくるリスクを感じます。7-9月の実績は予想通りながらも、10月以降は不透明感がある、などというコメントを発表してくる企業が多いのではないか、ということです。したがって、マクロ経済指標で10月半ばにかけて株式市場の戻りがあった場合、企業業績の状況を見極めるまで一旦ポジションを軽くすべきだろうと考えています。