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2011年9月29日のマーケット・コメント

ロング・ショート候補銘柄

 

前回のレポートで、「現在もしポジションを取るのであれば、センチメント転換の際に外人投資家が真っ先に買うであろう好業績大型景気敏感株をロングにし、まだ国内投資家の売りが残っている好業績中小型景気敏感株をショートにする」と書きました。具体的にはそれぞれどんな銘柄なんだ、という疑問にお応えすべく、今回コメントいたします。

 

まずお断りしておきたいのは、投資期間は人により様々であるため、ポジションを取るタイミングについては、ぜひご自分で判断ください。「もしやるなら」ロング、ショートというようにお考えいただきたいと思います。

 

まずロング候補となる「センチメント転換の際に外人投資家が真っ先に買うであろう好業績大型景気敏感株」です。外人投資家の銘柄選択には明確な傾向があります。それは時価総額が大きく、ROEが高く、PERが低く、ベータが高い、というものです。

このような特徴を持つ銘柄を外人投資家が持っていたため、外人が大幅に売り越してきた8月から9月半ばにそれら銘柄は大きく売られました。しかし、その中で業績に「ケチ」がついていない銘柄は、外人投資家が買い越してきたときに確実に買われます。

大型銘柄なのであまり問題は無いと思いますので、具体的な銘柄を一部挙げると、ファナック(6954)、SMC(6273)、日立(6501)、三菱電機(6503)、日産(7201)、ホンダ(7267)、やや小ぶりな銘柄では川崎重工(7012)、ナブテスコ(6268)、日本精工(6471)などです。

 

ショート候補となる「まだ国内投資家の売りが残っている好業績中小型景気敏感株」です。銘柄選択で重要なことは、信用残の取り組みです。大型株については、機関投資家の売買量は信用取引を利用している個人投資家の比ではありませんので、信用残の取り組みは重要ではありませんが、中小型株については重要です。売り残の多い銘柄は、まずはショートの候補ではありません。

理想的なショート候補は、今年一時的に業績や事業内容などが評価され株価上昇した局面があったが、明らかに株価はピークアウトし直近までで株価がかなり下落しており、信用買い残が高水準のままで売り残が少ない銘柄、です。要するに、信用で買っている投資家から、追証の売りや追証回避の売りが出やすい銘柄、ということです。できれば、一部の国内機関投資家も株価上昇時に買ったと思われる、それなりに流動性のある銘柄が望ましいです。機関投資家は値動きが悪くなれば、そういった「持っている必要のない銘柄」は容赦なく売ってきますので。

具体的な銘柄を上げるのは問題があるので、差し控えさせていただきます。

 

「業績にケチがついた大型景気敏感株」もショート候補ですが、日経平均が上昇した場合、中小型株のショート候補が日経平均と関係なく下落する可能性があるのに対し、大型株は日経平均が上昇した場合には「それなり」に上昇する、という特性があります。逆にいえば、リスクを抑えてロングもショートも大型株にしたい、という投資家には適当でしょう。今後の業績悪化が顕在化してきた半導体関連銘柄、液晶関連銘柄、電子部品銘柄、中国での売り上げ減少継続が懸念される一部の機械銘柄などがそれに当たります。