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2012年1月23日のマーケット・コメント

日本株反発の行方

 

前回のレポートで指摘した通り、内需売り外需買いの流れで、日本株の反発が続いています。そこで、短期的な相場見通しをお伝えします。

 

ここ数日の景気敏感大型株の値動きを見ると、明らかに中長期投資家の一部が日本株に買いを入れてきています。年明けてからアメリカ株の動きは予想以上に強く、多くの中長期投資家がアメリカ株の上昇には乗れていないと思われる状況で、その一部がしびれを切らして出遅れ感から日本株に買いを入れてきている、ということが背景にあると思います。昨年からレポートで何度もお伝えしたように、中長期投資家は2011年に株式の資産配分比率を相当低下させ、年明けに中長期投資家の一部が日本株(を含む各国の株)にいつから買いを入れてきてもおかしくない状況でしたので、このタイミングで始まったんだ、という思いです。

 

この流れを一時的に止める可能性がある要因は二つあると思います。それは、アメリカ株の調整と日本企業の10-12月期業績発表です。

まずアメリカ株についてですが、12月20日以降、日時でも日中でもボラティティが低いまま上昇を続けており、相場の基調が強いことがうかがえます。しかし、短期的にはそろそろ軽い調整が入りやすいことも確かで、今週のFOMCあるいは来週末の雇用統計がそのきっかけになる可能性があります。

 

日本企業の10-12月期の業績発表については、発表内容は良くないだろうと思われます。ただ、市場の期待値も高くないと思われることから、業績発表初期(今週から来週前半くらい)はむしろ「悪材料出尽くし」と捉えられ、株価の反応はポジティブ・バイアスになると予想します。業績発表中盤(来週後半)以降は、今期来期の業績懸念が徐々に市場に台頭し、株価の反応は中立からネガティブ・バイアスに徐々に変化していくでしょう。株価が高い水準にあったら、よりその可能性は高まります。

 

従いまして、以上のことを合わせて考えると、今月いっぱいくらいは現在の内需売り外需買いおよび過去数カ月間のリターン・リバーサルの流れが続き、日本株は戻りを試すが、2月は一旦調整局面となる、と考えられます。調整局面といっても、まだ多くの中長期投資家が株式の資産配分を増やしているとは思えず、値幅、期間ともに軽微なものになるでしょう。安値のめどは、NYダウで12,000、日経平均で8,400円程度だと思います。

 

その後、再び株式市場がボトムアウト、反転してきた際には、多くの中長期投資家が「今度こそ株式市場の上昇に乗り遅れたくない」と考え、株式の資産配分比率を増やしてくるでしょうから、3月4月は戻り高値を試す展開になるだろう、という見方は依然と変化ありません。その際の日経平均の高値めどは、メインシナリオとしては9,700-9,800円で、これがはずれるとすれば上(10,000円を超え、最大10,500円程度まで上昇)だと思っています。

 

また、今からそんなことを心配するな、とご指摘を受けそうですが、5月以降、徐々に大きな調整局面が進行し、10-12月には昨年の安値を大きく下回るだろう、との見方にも変化はありません。