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2012年1月30日のマーケット・コメント

四半期決算発表シーズン始まる

 

先週から10-12月期の決算発表が始まり、今週には多くの企業の発表が予定されています。とりあえずのところ、事前の想定通り発表内容は、ほとんどが会社想定通りか通期下方修正で、日立化成、富士電機、オムロンなど下方修正は予想されていたが予想以上の規模の下方修正を発表してきた企業も散見されます。ただ、株価の反応も事前の想定通り、予想以上の下方修正に対しても多くの場合、とりあえずのところ多くが株価の反応は限定的です。

 

業績懸念が事前にあるとき、四半期決算発表シーズンの初期に、業績に関するネガティブ・ニュースフローに対して株価が下げ渋る、いわゆる株価反応のポジティブ・バイアスが見られることは過去にも多くありました。過去多く見られたパターンとしては、決算発表シーズンが進むにつれて、ポジティブ・バイアスが消え、シーズン後半にはネガティブ・バイアスへと変化するというものでした。

 

今回もそのようになる可能性が高い、と考えています。特に、今週末の雇用統計などで米国株が調整した場合、日本企業の決算発表に対する株価の反応は、一気にネガティブ・バイアスへと変化しやすいと考えられます。短期で動かれる方は、決算発表内容が良くなかったにもかかわらず、株価反応が限定的である銘柄を短期スタンスでカラ売りする、ということも考慮に値すると思います。(ただし、その場合、信用取り組みやカラ売り報告など需給状況には注意が必要です。ショートが多く入っている銘柄のカラ売りはすべきではありません。)

 

上記のこともあり、以前にもお伝えした通り、世界的に株式市場は2月は一旦調整する可能性が高いと考えています。ただし、直近の株式市場の上昇に乗れている中長期投資家は少なく、多くが「この次の上昇には乗り遅れたくないので、押し目では買いたい。」と思っているだろうことを考えると、値幅としての押しは深くはならず軽いものにとどまりそうです。

 

従いまして、今は時期尚早と思いますが、2月中に米国株が調整し、日本株も調整し、決算発表に対する反応がネガティブ・バイアスに変化した場合には、中長期外人投資家が好む銘柄は「押し目買い」のスタンスで臨むべきだと考えています。特に、「今期業績は地震や洪水など様々な外部要因により冴えないが、来期は大幅増益が見込まれる銘柄」が市場の次の上昇をけん引すると思われます。

 

予想通り2月に調整局面となり、主力銘柄の値動きが悪くなると、短期資金は直近賑わっている仕手系材料株により集中すると思われるため、それら銘柄へのカラ売りは主力株主導で市場が出直るまでは控えたほうがいいと思います。その時の信用取り組み次第で銘柄は決まりますが、市場が想定通りに動けば3月4月にカラ売りチャンスが来る仕手系材料株が多く出現すると思います。