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2012年1月4日のマーケット・コメント

日経ヴェリタスの相場予想アンケート

 

皆さま、明けましておめでとうございます。本年もどうぞよろしくお願いいたします。

 

私も回答者の1人でしたが、日経ヴェリタスの2012年相場予想アンケートを見た感想です。

 

まず、私の予想を簡単にご説明します。

日経平均高値9,700円(4月)、安値6,000円(11月)。

1月は米国景気減速懸念の後退、ヨーロッパ問題の鎮静化などから米国株式市場は堅調な展開となり、中長期投資家の一部が世界的に株式の配分を増やし、日本株もボックスの上値を試す展開。しかし、2月には1月の米国経済指標が予想よりも悪く、ヨーロッパ問題も再燃し、世界的に株式市場は調整、日本株もボックスの下限に。その際に多くの中長期投資家が「これでなんとかなった」と思えるような政策が発表され、3月4月は世界的に株式市場は高騰、日本株もボックスを大きく上に抜ける。夏ごろから再び米国景気減速懸念、ヨーロッパ問題再浮上、さらに企業業績ピークアウト懸念で、中長期投資家は一気にリスク回避の行動に出て、世界的に株式市場は下落が加速、日本株はリーマンショック後の安値を更新。

 

一方、日経ヴェリタスのアンケート結果を見ると、日経平均の安値は7,500-8,000円、安値を付けるタイミングとしては過半数が2月と3月を予想、高値は10,000-11,000円で高値を付けるタイミングとして4割近くが12月を予想しています。リーマンショック後の安値更新を予想しているのは、アンケート回答者70人中で私1人だけでした。

 

この結果を見て、「少なくとも、年後半上昇基調が続き、私の予想が大外れして年末高になる可能性は極めて少ない」と思いました。相場予想というものは、ほとんどの場合、多数派の通りになることはないからです。

 

この手のアンケートは常に「上昇」バイアス、「年末高」バイアスが見られますが、実際に美しく「上昇&年末高」になったことは過去10年振り返っても2003年と2005年しかありません。(2006年と2009年も美しくはないですが、「上昇&年末高」と言えなくもないかもしれません。)

 

アンケート結果の解説を読むと、回答者がリスク要因として挙げていることの多くが、賛同できる冷静なものでした。これは回答者のうち、自分たちのビジネスへの悪影響(弱気な予想を出してしまったら日本株への投資を推奨できない、など)を考慮し、あえて承知の上で「上昇&年末高」バイアスをかけた回答をした人が少なからずいた、ということかもしれません。

 

今年も皆様のお役にたつコメントを書くよう努めますので、どうぞお付き合いいただきますようお願いいたします。