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2012年2月10日のマーケット・コメント

押しそうで押さない相場

 

今週初めの前回のコメントで「そろそろ一服か」と書きましたが、今週も「押しそうで押さない」展開が続きました。あらためて今後の展開を考えてみたいと思います。

 

トヨタなど決算を受けた後の主力株の値動きや売買代金の増加などから、明らかに中長期投資家の一部が買いを入れてきています。ただ、今買いを入れてきているのは少数派で、多くの中長期投資家は「ここを買い上がるのは避けたいが、昨年大きく株を減らしたままで年明けからの株式市場の上昇には乗りそこなった。目先押し目はあるだろうから、次は乗りそこなわないために押し目では買いたい。」と考えていると思われます。

 

以上の状況を考えると、今後の展開は2つ考えられます。

 

一つ目は、多くの投資家の期待通りに、何らかのきっかけで目先株式市場は調整を入れる、ということです。ただし、多くが押し目買いをしたがっている以上、押しは深くはならず、過去の経験で言うとこのような場合の「押し」は高値から3-5%程度です。日経平均で言うと、9,000円が高値だとすると安値は8,550-8,730円程度ということになります。この場合、下落しているうちは、多くの投資家は「やっぱり押しはあった。どこまで下がるのか確認してから買いたい。」と考え、下落の中を買い下がる投資家は少数派になるでしょう。ただし、相場が底打ち反転して来たら、今度は多くの投資家が「今度こそ乗り遅れないように買おう。」と考え、1-2カ月という比較的短期間で意外な水準まで上昇すると思われます。

 

二つ目は「押し目待ちに押し目なし」の展開が続く、ということです。今はまだ買いを入れていない多くの投資家のうち、あまりにも押し目はないことにしびれを切らして買いを入れてくる投資家が徐々に増えてくる、ということになったらこの展開になります。その場合は、一斉にではなく徐々に買いが入り続けるということになりますので、株式市場の上昇前期は時間をかけてもみ合いながら緩やかに上がっていき、上昇後期はそれまで買わずに押し目を待って我慢していた投資家が我慢しきれなくなり、上昇が加速して高値を付ける、ということになるでしょう。

 

戻り高値を付けるタイミングは、どちらの展開になっても以前お伝えしたようにゴールデン・ウィーク前後だと思います。ただし、上記どちらの展開になるかで高値の水準が変わってくると思います。期待通り目先押し目がある展開になれば、日経平均の上値は最大で10,500円があり得ると思いますが、押し目が無い展開になるようであれば上値は9,700-9,800円程度にとどまると思います。よく言われることですが、「一旦屈んだ方が高く飛べる」ということだと思います。

 

いずれにせよ中長期投資家が買ってくるのは景気敏感大型株であり、特に「昨年後半に株価が大きく下落し、まだ戻りが鈍く」「様々な理由で今期業績は悪いが、その分来期は大幅増益予想」の銘柄が買われやすいと思いますので、今月から来月にかけてそのような銘柄を何回かに分けて買う、ということでいいと思います。押し目のある展開になり、買い下がることができれば理想的です。

 

ご参考までに、時価総額が1000億円程度以上の銘柄で、2011年8月1日以来の株価の下落率が15%以上で、2012年度の予想営業利益増益率が20%以上の銘柄のリストです。(これは機械的なスクリーニングのため、このリストすべての銘柄がいいというわけではありません。投資対象候補としてお使いください。)

 

       

2011/8/1以来の下落率

2012年度予想営業利益増益率

6902

デンソー

   

-15.14%

   

53.8%

6502

東芝

   

-15.15%

   

23.4%

7270

富士重工業

 

-15.43%

   

40.7%

6113

アマダ

   

-15.64%

   

27.6%

7251

ケーヒン

   

-15.56%

   

80.2%

7259

アイシン精機

 

-15.82%

   

29.7%

8473

SBIホールディングス

 

-17.01%

   

1950.4%

8604

野村ホールディングス

 

-17.63%

   

245.3%

6724

セイコーエプソン

 

-19.75%

   

31.3%

6506

安川電機

   

-20.14%

   

27.7%

5802

住友電気工業

 

-20.12%

   

24.2%

6504

富士電機

   

-22.14%

   

38.4%

4182

三菱ガス化学

 

-22.39%

   

36.4%

7282

豊田合成

   

-22.79%

   

32.3%

7312

タカタ

   

-23.30%

   

51.9%

5401

新日本製鐵

 

-23.48%

   

63.2%

6770

アルプス電気

 

-23.53%

   

35.1%

5812

日立電線

   

-23.18%

   

253.0%

6674

ジーエス・ユアサ コーポレーション

-24.13%

   

22.6%

4062

イビデン

   

-24.94%

   

84.4%

5406

神戸製鋼所

 

-25.73%

   

39.2%

7752

リコー

   

-25.72%

   

138.5%

6103

オークマ

   

-26.18%

   

28.2%

7951

ヤマハ

   

-26.50%

   

40.2%

2371

カカクコム

   

-27.95%

   

28.2%

6141

森精機製作所

 

-28.02%

   

50.9%

6752

パナソニック

 

-29.02%

   

244.8%

5333

日本碍子

   

-29.60%

   

35.7%

5411

ジェイ エフ イー ホールディングス

-30.55%

   

53.8%

5803

フジクラ

   

-32.25%

   

37.2%

3116

トヨタ紡織

   

-33.41%

   

47.1%

5801

古河電気工業

 

-40.41%

   

69.0%

3436

SUMCO

   

-42.50%

   

1526.5%

6361

荏原製作所

 

-42.59%

   

38.0%

5202

日本板硝子

 

-46.18%

   

59.0%

7733

オリンパス

   

-53.51%

   

43.5%