G20終了-今後の相場見通し
G20が終了しました。事前に懸念していたような、アベノミクスへの名指しの批判は声明に織り込まれず、これまでの流れが続くこととなりました。残念ながら、2月15日のコメントで期待したような買い場は、週明けには提供されない結果となりました。
ドル円ですが、100円手前までは円安進行が続くと思われます。以前は、石破自民党幹事長などは、「理想的なドル円のレンジは85-90円」と発言していましたが、90円をいとも簡単に超えてしまったため、現在では「100円までは問題ない」との意見が多く聞かれます。言葉を変えれば「100円以上は問題がある」という事になります。現在は日本主導で(円の独歩安で)円安ドル高進行となっており、100円手前(97-98円位か)まで円安進行した際には、一気に100円を超えては困る、との思惑が働き、政府サイドから円安進行にブレーキをかける発言やアクションが取られることが想定されます。
11月半ばに円安進行の「アベノミクス相場」が始まってから、ドル円の調整幅は、直前のドルの高値からほぼ2円前後となっています。1月半ばには89円68銭から87円79銭、1月後半には90円27銭から88円06銭、2月前半には94円07銭から92円17銭、直近では94円47銭から92円22銭へと調整しました。G20で「調整幅2円の法則」がもう少し拡大するかもしれない、と考えていましたが、G20終了でその可能性が無くなり、上述の100円手前まではこの法則が続くと思われます。したがって、92円台は押し目買いの機会と捉えるべきでしょう。
100円手前まで円安進行となるのは4-6月期だと思われます。100円を突破して円安進行するのは、ドル高がけん引する円安ドル高局面であり、そのためには米国の積極金融緩和策の転換(QE3の終了)を市場が織り込み始める必要があります。それは早ければ今年の10-12月期だと思われます。7-9月期以降、それを織り込み始めるまでは、ドル円は95-100円でのもみ合いとなるでしょう。
日経平均ですが、円安進行が続く4-6月期までは上昇トレンドが続き、為替がもみ合いに入ると日経平均ももみ合い、ドル高がけん引する円安進行が始まったら、円安株安が始まる、と考えています。
高値のめどですが、過去の大相場の値幅が参考になると思います。最近20年間で「大相場」と呼べる株価上昇が4回ありました。1995年から1996年、1999年から2000年、2003年から2004年、2005年です。明確な上昇が始まってから高値までのおおよその期間と上昇率はそれぞれ、12ヶ月間で57%、13か月間で49%、12カ月間で56%、9カ月間で50%でした。値幅は上昇が始まってから大体5割、ということです。今回の上昇の起点を8500円、50%上昇するとすれば、12,750円となります。以前に比べて相場展開が早くなってきていることを考えると、期間は6-9カ月間というイメージでしょう。すると高値を付けるのは5月から8月頃となります。参議院選挙が7月にあることを考えると、時期のイメージもありそうな感じがしませんか。