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2013年2月6日のマーケット・コメント

白川総裁辞任表明を受けて

 

昨日、白川日銀総裁が、任期の切れる4月8日を待たずに、副総裁と同時に3月19日で日銀総裁職を辞任することを表明しました。それを受けて、一段と円安が進み、日経平均は大幅上昇しました。昨日引け後に発表された市場が注目するトヨタ(7203)の決算も、単体営業利益が5期ぶりの黒字となり、円安の業績に与える効果があらためて確認され、相場全体に買い安心感を与えたことも、本日の上昇の背景にあるでしょう。

 

昨日のコメントでご説明したシナリオに、基本的には変化ありませんが、為替も株もイメージしたよりもさらに押し目の深さが浅くなってしまった印象はあります。特に、日銀総裁交代が早まったことにより、為替市場での円安修正は限定的になったと思います。90円割れがあるかどうか、というイメージです。

 

拙著「円安恐慌」で記述した通り、私の中期シナリオでは、最終的にドル円は現水準から少なくともあと100円は円安進行する(ドル円は少なくとも200円に迫る)、というものです。100円のリターンを取りに行く局面で、1円、2円の調整をいつまでも待ってポジションを取れない、というのでは「持たざるリスク」が大きすぎます。まだ円売りドル買いポジションを取っていないのであれば、今すぐにでもある程度のポジションを取り、もし調整があって買い下がれたら幸運、と思うべきだと思います。

 

一方、日本株は今日はやややり過ぎ、という印象です。これまでのところ、個別業績に注目し、業績内容が良ければ素直に買われ、内容が悪くても来期大幅回復が期待できるのであれば出尽くしで買われる、という反応が続いています。この流れは業績発表が続く今週いっぱいくらいまでは続くかもしれませんが、業績発表が終わると一旦冷静に欧州問題、中国問題など海外要因に、市場参加者は視点を移し、一旦調整となりやすいと思われます。ここで買い上がることは控え、調整局面を待ちたいところです。

 

ただし、あまり深い調整を待ちすぎず、段階的に買い下がっていく、というのがいいと思います。日経平均11,000円から100円ごとに買い下がっていき、10,500円でフルポジション、というイメージです。3月いっぱいは、年度末に向けた日本の機関投資家の日本株売却などから、調整の可能性はあると考えていますが、4-6月は上昇の可能性が高いため、たとえ期待ほどの調整がなかったとしても、3月半ば過ぎごろまでには買いポジションを取りたいところです。上昇相場を見ているだけ、というのも面白くないですから。