NYダウ高値更新-日米バリュエーション比較
昨日、NYダウが2007年に付けた史上最高値を更新しました。S&P500も史上最高値まで、あとわずか(高値1,576.09、昨日終値1,539.79)のところまで上昇しています。株価は企業業績の鏡だと、よく言われます。株価=EPS(1株あたり利益)×PER(株価収益倍率)ということでしょう。そこで、30銘柄の集合体であるNYダウではなく、より多くの銘柄の集合体であるS&P500を、日本株も同様に日経平均ではなくTOPIXを使って、S&P500、TOPIXそれぞれのEPS水準の推移を見てみました。
それが以下の表です。ブルームバーグという端末から得られるデータから計算しています。多少の誤差はあるかもしれませんが、ご容赦ください。なお、2009年のTOPIXのデータは取れませんでした。おそらく赤字だったのではないかと推察されます。
S&P500 | TOPIX | |
2006 | 83.9 | 93.5 |
2007 | 86.6 | 81.8 |
2008 | 73.7 | 67.0 |
2009 | 45.9 | NA |
2010 | 83.9 | 54.8 |
2011 | 94.1 | 40.5 |
2012 | 100.4 | 33.8 |
2013 | 101.2 | 48.3 |
米国を見てください。NYダウやS&P500が最高値を付けたのは2007年でした。そのころのEPSを、直近のEPSはすでに大きく上回っています。史上最高値を更新するのは、ある意味当然と言えるでしょう。
一方で日本はどうでしょうか。EPSは低迷を続けています。シャープやパナソニックの巨額当期赤字の影響が多少あるにせよ、2006年や2007年の水準には、はるかに及びません。2013年の48.3という数字が2012年度予想かどうかは確認できませんでしたが、2012年度予想だとして、2013年度60%増益(現在最も強気な予想)だとして77.3になります。現在、S&P500のPERは約15倍ですので、TOPIXもPER15倍になるとすると、1,159.5となります。現状水準から約15%上昇ということです。日経平均の現状水準から15%上昇は13,700円になります。これらが、ファンダメンタルズから最大限正当化できる上値めど、と言えるでしょう。