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2013年4月16日のマーケット・コメント

ドル円値幅調整終了でボックス相場入りか

 

日本時間の本日早朝に、ドル円は一時96円を割り込み、95.79円まで下落しました。96円割れはあり得るが95円割れはないだろう、とお伝えしていましたが、これでもみ合いレンジの下限を試した可能性が高いと見ています。別の観点からも、以前からお伝えしているように、昨年11月半ばに円安相場が始まって以来、ニュースフローがない中での調整幅は直近高値から2円、ニュースフローがあった時(イタリア選挙、キプロス・ショック)は直近高値から4円でした。今回はボストンでのテロ事件がニュースフローとなりました。直近高値が99.96円ですので、95.79円は4円強の調整幅となり、これまでの経験則に基づくと調整終了を示唆します。

 

昨日のコメントでお伝えしたように、先週末の米国財務省の円安誘導けん制コメントが、今回のドル円の調整のきっかけになりましたが、昨日はドラギECB総裁が「日本は通貨戦争など引き起こしていない。日銀の政策は国内政策を考慮して決定されている。」と、日銀政策擁護発言をしました。米国が円安進行にブレーキをかけ、ECBがブレーキの効き過ぎを制御する、というところでしょうか。やはり、週末のG20を円滑に平穏無事に終わらせたい、という意図を感じます。G20が終了する来週以降は、ドル円はボックスレンジの上限に向けて円安進行となる可能性が高いと思われます。

 

何度もお伝えしているように、100円を明確に超えて円安進行するのは、米国FRBがQE3市区商を始めることを市場が本格的に織り込む時だと思われます。したがって、しばらくは96円割れから100円手前までのレンジでのボックス相場が続きそうです。ボックスの中の動きを取りに行くかどうかはスタンス次第ですが、ドルをロングにしたりショートにしたりすることはお勧めできません。大きな流れは円安ですのでドルをショートして、もしレンジを上抜けたら、精神的にも経済的にもダメージが大きくなるからです。

 

もしボックスを取りに行く場合、お勧めする手法は「両建て」です。ドルのロング・ポジションを100持っていたとします。99円を超えるなどでレンジの上限だと判断した場合、100のロング・ポジションはそのままにしておいて、最大限100(50でも20でも、スタンス次第です)までのドルのショート・ポジションを取り、ボックスの下限だと判断した時にそのドルのショート・ポジションをクローズする、というやり方です。精神的効果に加えて、ドルのロング・ポジションの簿価が低い場合、必要以上の実現益の発生を防ぐことができ、節税につながります。

 

想定と違い、QE3縮小を織り込む前に、明確に100円を超えたら(「明確に」というのも「具体的にどういうレートがついたら」とあらかじめ決めておくのがいいでしょう。例えば101円をつけたら、とか。)、ドルのショート・ポジションはロスカットするのが重要です。ロスカットを厳格に行う自信がない場合、ボックスの中でのトレーディングをすべきではないでしょう。