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2013年4月22日のマーケット・コメント

黒田緩和「世界公認」に-今週が「祭りから帰る」とき

 

先週G20 が終了し、予想通り日銀の超金融緩和策が容認され、まさに「世界公認」となりました。祭りのメインイベントのファイナルステージという感じです。それを受けて、本日は円安株高となっていますが、これで円安株高の流れを後押しする材料は完全に出尽くし、いよいよ今週は「祭りから帰る」(買いポジションをすべて解消する)タイミングだと思っていることを、あらためて強調します。

 

4月26日に次の日銀金融政策決定会合がありますが、そこでは何も新しいことは打ち出されない、と考えます。安部政権にとって、当面のゴールは7月終わりの参議院選挙であり、ペース配分を考えると、ラストスパートするための材料は6月頃まで温存しておきたいはずです。また、黒田総裁としても、4月4日に「やるべきことは全部盛り込んだ」と言っていますから、1カ月もたたない、しかも市場の好評価が続いているうちに、新しいことに踏み込む動機はないでしょう。

 

ドル円は100円にあとわずか、という水準に再び来ましたが、このタイミングで100円を明確に超えてしまうと、7月の参議院選の頃に「過度な」円安水準になってしまうリスクがあるため、安部政権にとってこのタイミングでこれ以上円安誘導するような発言は控えるでしょう。また、以前からお伝えしているように、日経平均の高値のイメージは13,500-14,000円のどこかであり、本日すでにそのゾーンに入ってきています。

 

合わせて考えると、やはり5月はドル円はもう一度円高方向への調整幅を試し、その中で2013年度の過度な企業業績回復期待の修正が起こり、日本株も調整局面と考えるのがしっくりきます。目先の日経平均の安値のイメージは、高値から10%程度の下落です。今週14,000円手前で高値を付けるとすれば、安値めどは12,500円程度ということです。6月から参議院選挙までの戻り相場のテーマは、規制緩和を中心とする政府の成長戦略になりそうであり、そうなれば戻りをけん引するのは輸出関連銘柄ではなく、内需銘柄になりそうです。

 

ただ、大きな流れがすでにピークアウトした後の「戻り」ですので、これを取りに行くかどうかは微妙です。状況の変化に敏感に反応して、たとえ損失であろうとも躊躇なくポジションをクローズする自信のない方は、戻りを取りに行くべきではなく、参議院選挙後にどの銘柄をカラ売りしてリターンを挙げるかを考える、カラ売り銘柄選定の期間としたほうがいいと思います。