雑感まとめ-そろそろ帰り仕度を始めるときか
4月4日の日銀決定会合の発表で、いよいよ「アベノミクス相場」のメイン・イベントが始まりました。まだ終了とは言いませんが、メイン・イベントが始まった以上、それが終わったら場が荒れないうちにさっと帰るための、帰り仕度を始めていい時なんではないでしょうか。
為替;
ドル円は当面の高値のめどである100円手前の水準になりました。100円を付けることはあるかもしれませんが、100円を大きく超えて円安進行するためには、米国FRBのQE3縮小の可能性に市場が注目することが必要で、それはもう少し先でしょう。早ければ7-9月期、メインシナリオでは10-12月期を考えています。それまでは95-100円のレンジ、もしボックス相場を取りに行くのであれば96-99円を念頭に行い、円安方向に抜けたら躊躇なくロスカットすることが重要でしょう。
日経平均;
過去20年間に4回あった大相場での上昇率を今回に当てはめた上値めどである12,911-13,604円のレンジに入ってきました。今日が高値でもおかしくない状況になってきているわけで、この水準から買いポジションを積み増すのは危険だと思います。ただこのところ日経平均の上昇をけん引している銘柄群は、金融、不動産、小売り等の内需セクターで、円安による輸出関連業種の2013年度の大幅業績回復をまだ完全には織り込んでいない、と思われることから、4月終わりから5月にかけての2013年度業績見通し発表と、それに対する株価の反応を見てから、祭りから帰るタイミングを見極めたいと思います。物色対象が、内需から輸出関連景気敏感銘柄に移行したら、いよいよ最終局面だと考えていいと思います。
長期国債;
4月5日は、20数年間の私の経験で、長期国債が最も激しく動きました。異常値を付けるときの典型的な動きであり、4月5日の高値を抜く可能性は極めて低い、と考えられます。ただし、ここから日銀が長期国債を大量購入するわけですから、すぐに長期国債が崩れることもないと思われ、しばらくは高値もみ合いでしょう。
ただ、毎月発行される長期国債約10兆円のうち7兆円を日銀が買う、という行為は、今は「異次元の積極金融緩和」と好評価ですが、やることは第2次世界大戦中に行われた財政ファイナンスを全く同じです。金融緩和の効果が今度こそ出てきた、という事になればいいのですが、いくらやっても効果が出ないと、いずれ外人から「それは実質的には財政ファイナンスだ」という評価になるリスクがあるでしょう。個人的には、今まで効果が出なかった手法である金融緩和を、規模を大きくしたからといって効果が出るはずがない、と思っています。10年国債利回りが0.7%を明確に超えてきたら、要注意です。その時は不動産株やREITも大幅下落の始まりです。