個人投資家投機対象銘柄群急落
本日の日本株は、日経平均やTOPIXは大幅上昇となり、日経平均は正直私は全く想定していなかった15,000円を超えました。その一方で、非常に気になる動きがありました。これまですさまじい勢いで株価上昇してきた、個人投資家が好む投機対象銘柄群の株価が、軒並み急落しています。ざっと挙げると、アイフル(-21%)、ケネディクス(-16%)、オリエントコーポ(-15%)、ドワンゴ(-11%)、ユーグレナ(-14%)、コロプラ(-17%)、ナノキャリア(-11%)、カイオム・バイオ(-21%)等々です。
相場環境がいい時には、値動きが軽い銘柄の株価は、ファンダメンタル(実体)とはかけ離れたところまで株価が上昇します。参加者のほとんどが短期投資家であるため、基本的には順張りで買い上がっていきます。ところが何事にも終わりがあるように、株価はどこかの時点で上昇が終わり、下落に転じます。その象徴的な兆候が高値圏での急落なのです。本日の動きは明らかにそれを示唆しています。しかも今回の相場の場合、投機対象となったほとんどの銘柄で、株価上昇とともに信用買い残が大幅増加しています。信用で買い上がった証拠です。順回転のうちはみんなハッピーだったでしょう。
しかし、おそらく今後逆回転が始まります。高水準に積み上がった買い残が、今度は強い売り圧力となります。追証発生の人達はもちろん、そうなっていない人達も追証発生回避で、投げ売りを迫られます。今日の急落を見て「ああ、これで投機ゲームは終わったんだな。」と投げることができた人は、一流の投機家でしょう。逆に「絶好の押し目が来た。」と買った人は、いつも最後には負ける投機家ではないでしょうか。こうなってしまったら(投機銘柄が高値圏で急落したら)、誰がどういう理由で推奨していても、直近の高値からどんなに下落していても、手出し無用なのです。
日経平均先物、TOPIX先物や大型株の主要な買い手は、中長期外人投資家ですから、個人投資家投機銘柄の下落が、直接的にそれらの値動きに影響することはありません。しかし、市場の雰囲気が悪くなってきたことを感じ、積極的に買ってこなくなることは想定されます。今日で決算発表はほぼすべて出尽くします。決算発表が終わると、市場の雰囲気に目が行きがちなものです。