ミョウジョウ・アセット・マネジメント株式会社の運営する会員制金融情報サイトです。

2013年5月7日のマーケット・コメント

本日の日本株大幅高が示唆すること

 

予想よりもやや強い米国雇用統計を受けて、ドル円は急反発、本日の日本株は大幅高になりました。米国雇用統計に向けて警戒感を強めていた市場参加者が多数いた、ということでしょう。その一人だった私も、実は多数派だったのだと反省するとともに、本日の日本株大幅高が何を示唆しているのか、冷静に考えたいと思います。

 

本日の日本株の動きにはいくつか注目点があります。

1.場中に日経平均やTOPIXはじり高だったが、ドル円は日本株の場中にはやや円高方向に動いた。

2.これだけ大幅高した割には、出来高があまり多くなかったこと、および業種間、主力銘柄間での上昇率の差が大きくなかったことから、先物主導の上昇だったと思われる。

3.新興市場のこれまで大幅に株価上昇していた銘柄群が更に大幅に上昇し、マザーズ指数は本日1日でなんと11%も上昇した。

4.東証REIT指数は下落した。

 

これらのことを総合すると、今日の日本株の大幅上昇は、もはや円安進行による業績回復期待や、積極金融緩和による不動産価格上昇期待といった、これまでのアベノミクス相場の理由づけに使われてきたことがまったく機能せず、買い遅れていた外人投資家の先物買いと、短期値幅取り狙いの個人投資家と一部のヘッジファンドの買いだけが、本日の日本株大幅上昇を作り上げた、という事だと思います。大幅上昇相場の最終局面に、大幅全面高してピークアウトする、ということがありますが、今日はまさにその様相でした。

 

本日は決算発表は少ないですが、水曜、木曜、金曜は多数の発表があります。それを考えると、決算要因が反映されない明日も大幅上昇する可能性はありますが、決算要因はこれまで同様に株価の押し下げ効果となりそうなので、いずれにせよ今日か明日が日経平均やTOPIXの高値になる可能性が高いと思われます。日経平均やTOPIXが高値を付けるという事は、主力株の値動きが悪くなるという事なので、短期資金がより一層値動きの激しい新興銘柄や、ワケあり出遅れ銘柄に向かいやすくなるため、それらの銘柄の株価は更に上昇が続くことになりそうです。しかし、タイムラグを経ていずれ株価はピークアウトし、その後の株価下落は相当早く深いものになりますので、その点は忘れないようにしていただければと思います。