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2013年6月4日のマーケット・コメント

ドルは絶好の買い場-予想されるQE3の行く末

 

昨日、米国で発表されたISM製造業景況指数が予想よりも弱かったことを受けて、ドル円は100円を割り込み、ストップ・オーダー(逆指値)を巻き込んで一気に99円も割り込みました。しかし昨日、サンフランシスコ連銀とアトランタ連銀の総裁が、別々の場でそれぞれQE3縮小を支持することを表明しています。QE3縮小、ドル高、という基本的な流れは変わっていないということです。ドルは絶好の買い場だと思います。

 

100円を一気に超え、102-103円だったころに、米国でも投機筋の円ショート・ポジションが高水準に積み上がっていました。日本株急落に端を発したドル円の調整で、そのかなりの部分が解消されたのではないか、と推察します。昨日のNYでの動きも、ポジション整理の最終局面だったのではないか、と思えば、2連銀総裁の発言を無視してISM指数を理由に急激に円高進行したことが、納得できます。

 

QE3がどのタイミングで縮小、そして終了するのかですが、ずばり9月17,18日のFOMCで縮小、12月17,18日のFOMCで終了が決定される、と予想します。これまで金融政策の変更を決めたのは3,6,9,12月のFOMCでした。6月18,19日のFOMCで縮小第1弾が決められる可能性もありますが、バーナンキ議長の議会証言でも、最近の各連銀総裁の発言でも「向こう数カ月のうちに縮小を検討」としていますので、6月の可能性は低いと思われます。

 

バーナンキ議長の任期は2014年1月までです。米国での報道などによると、バーナンキ議長自身が続投の意思がないとされています。毎年出席していた8月のジャクソンホール会議も、今のところ今年は欠席の予定だということですから、おそらく続投はないのだと思います。続投の意思をなくさせた最大の理由は、QEに対する共和党からの批判ということです。バーナンキ議長自身が共和党支持者にもかかわらず、よかれと思って行い、結果も出ているQEを共和党から批判され続け、もうやってられない、という気分になったということでしょう。

 

そのような状況の中、批判の対象であるQE3を自分の任期中に終わらせ、リセットしてから次の議長にバトン・タッチしたい、と考えていると思われます。そうするとFOMCのスケジュールを考えれば、12月に終了決定ということになります。また、いきなり終了させるのではなく、縮小を経て終了という流れが固まってきていますので、9月に縮小決定となるとしか思えません。

 

6月のFOMCで縮小決定は無くても、縮小に向けてもう一段買い強いトーンの声明になる可能性は高いと思われ、そうなればドル円は105円の方向でしょう。本当に9月に縮小決定ということになれば、105円を超え110円の方向へとドル高がけん引する円安ドル高進行となるでしょう。ドルを買うのは今です。