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2014年10月16日のマーケット・コメント

米国株もドル円も一旦底打ちの公算大

 

昨日、米国で発表された9月の小売売上が予想よりも弱かったことをきっかけに、ドル円、米国株式ともに急落しました。NYダウは寄り付き直後に370ドル安まで下げ、その後一旦110ドル安まで戻りましたが、再び460ドル安まで売られ、結局173ドル安で引け、ドル円は107円近辺から一気に105.20円まで急落した後は106円近辺まで急速に戻り、その後は106円近辺でのもみ合いとなりました。米国株もドル円も長い下ヒゲを引いた格好になり、短期投資家の需給整理が一気に進んだことが伺え、一旦は底打ちの可能性が高いと思います。

 

米国株が2回底をつけているのに対してドル円が最初の1回だけだった背景は、ドル円は米国株の最初の370ドル安の急落時に一気に需給整理が進んだため、460ドル安の時にはほとんど動かなかった、ということだと思います。ドル円の調整幅は直近高値(110.09円)から少なくとも2円、最大で4円とご説明しましたが、105円台の急落はストップロスを巻き込んだ短期的減少だととらえれば、きっちり4円調整したことになり、値幅としては十分です。

 

ドル円は、10月29日のFOMC、10月31日と11月19日の日銀決定会合と、イベントが続き、早晩再び円安ドル高進行となると思われます。しかし、米国株の戻りは重そうです。米国株が下落する一方で、米国債は急激に買われており(利回り低下)、中長期投資家が株から債券へ資金シフトしていることは明らかで、一旦この流れになってしまうと、そう簡単に元に戻さないからです。戻りの初動では比較的大きな値幅が出るかもしれませんが、その後は少なくとも、業績懸念は杞憂である、というような内容の業績発表がなされるまでは、戻りは鈍い展開が想定されます。

 

ドル円は絶好の買い場だと思いますが、日本株はトレーディングをするのであれば買ってもいいかな、くらいの見方です。