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2014年10月6日のマーケット・コメント

指値の入れ方

 

ドル円は、10月2日のNY市場で108.01円まで調整した後、強い米国雇用統計を受けて109円台後半に戻りました。10月2日付のコメントで

「ドル円の高値水準は109.50円近辺ではなく、切りの良い110円近辺になりました。そうすると調整のめどは最低108円、最大で106円ということになります。ドルロングのポジションをお持ちの方は、108円近辺から買い下がり、ドルロングのポジションを現在お持ちでない方は、現状水準でとりあえず少しだけポジションを取り、あとは108円近辺から買い下がりがいいでしょう。」

と書きましたが、調整幅はまさに最低のノルマを果たした、という格好になりました。110円近辺の高値を明確に更新するまでは、このスタンス継続です。

 

ところで、「108円近辺から買い下がり」という同じことをしようと考えても、指値の入れ方の違いで買えた方と買えなかった方がいるかもしれません。そこで今回は指値の入れ方についてご説明します。「そんなこと知ってるよ」という方は、どうぞ読み飛ばして下さい。

 

為替に限らず相場では、指値は目途とする価格のほんの少し手前に入れる、というのが原則です。例えば1,000円で買いたい場合、指値はそのほんの少し上の1,010円、売りたい場合そのほんの少し下の990円に入れる、ということです。「ほんの少し」の値幅は好みの問題ですが、1,001円とか999円という一値違いは、オファーあるいはビッドの片側が1,000円になるので避けましょう。

 

今回の例では、例えば108.05円に指値を入れていれば買うことができ、例えば107.95円で指値を入れていたら買えず、という結果でした。そこから1.5円以上円安に戻っているわけですから、買えなかった場合大きな機会損失です。

 

値動きを追う短期投資はお勧めしませんが、ついでにご説明します。その場合も指値の入れ方は変わりません。例えば、108.05円で指値を入れ、それが買えてさらに108円を「明確に」割り込んだとします。「明確に」の値幅も好みの問題ですが、たとえば107.90円とします。その場合は108.05円で買ったポジションは107.90円で損切りです。その後、108円を明確に上回った場合、例えばそれを108.10円としますと、そこで買い直しです。

 

ドル円はどう考えても中期円安ドル高トレンドです。なので、結果的に少し高いところで買ってしまって含み損となっても、時間が味方してくれ、いずれ含み益になります。もちろん証拠金余力が心配になるほどレバレッジをかけてはいけませんが、「持たざるリスク」も十分考えるべきでしょう。1年前、97円は買いだが99円は買いではない、と考えていたことを思い出して下さい。