復活した「円安=株高」の相関の消え方
日銀の追加緩和を受けて、突如復活した「円安=株高」の相関ですが、この相関には理屈が通らないことはすでにご説明しました。早晩、この間違った相関は、追加緩和以前のように消えていくはずですが、今回は消え方について考えます。
流れとしては、追加緩和=円安ドル高進行、という動きを受けた今回の株高、ということであり、株高になる理屈がないとなれば、逆向きの動きはまず最初に株下落から始まるでしょう。ただ、理屈なく突如復活したとはいえ、「円安=株高」の相関は突如消えるというよりは、その余韻はある程度残る可能性が高いと思います。つまり、初期段階では株下落が理屈抜きでドル円を円高方向にある程度引っ張ることが想定されます。
ドル円の当面の高値はいまだわからず、という状態ですが、早晩、株下落開始→円高方向へ調整、となる可能性が極めて高いため、現状水準からドル円を買い上がるのは控えるべきだと思います。ただし、日米の金融政策の方向性の違いという角度からも、GPIFを始め日本の投資家が今後海外投資を増やす、という需給の角度からも、円高進行が続く理由は何一つないので、ドル円の調整局面では絶好の買い場と捉えてください。
ドル円の下値めどですが、以前の抵抗線が今のサポート、というチャート理論からすれば、110円がサポート・ラインということになります。実際には、最大限下げて110円トライ、そこまで行かずに終わる可能性も多分にある、と思っています。もし昨日NY市場の114.22円が当面の高値になるとすれば、最低102円近辺までの調整はあると思われます。
日本株は今回の上げをすべて消す、すなわち日経平均16,000円まで下落するのにそう時間はかからないと思います。その先は、再び米国株中心に海外市場との兼ね合いで下落スピードが決まってくると思います。その段階では「円安=株高」の相関は完全に消えているでしょう。