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2014年11月6日のマーケット・コメント

過去のパターン通りであれば、ドル円は当面の高値を付けた?

 

本日、ドル円は115円を抜け、新値更新となりました。当面の高値はいまだ確認されず、です。過去のパターンを振り返れば、当面の高値は105.47円、110.09円と、おおむね105円、110円と5円刻みで推移してきました。ファンダメンタルズから見れば、何一つ円高になる理由はないのですが、ドル円も相場ですから、当然短期的には短期投資家の需給要因で調整を挟みながらの動きになります。5円刻みというのは、やはり投資家心理として「切りのいい水準」をめどに動きやすい、ということが背景にあるのではないでしょうか。過去のパターンが今回も当てはまるとすれば、そろそろ当面の高値を付けてもいい水準だと言えます。

 

ただ、1回跳ね返されただけでは、そこが当面の高値と断じることは出来ず、最低2回同一水準で跳ね返されなければ、そこが当面の高値と決め付けることはできません。今後、115円台前半で高値を付け、さらにもう一度そこで跳ね返されれば、高値から2-4円の調整、すなわち111-113円までの調整がある可能性がぐんと高まります。その動きが確認されたら、調整を取りにトレーディングするのもいいでしょう。もちろんトレンドは円安ドル高ですから、トレンドに逆らった行動を取るのではなく、調整があったら買い増し、というのが王道ですが。

 

ドル円が115円抜け(本日の高値更新)の動きをした時、日本株はほとんど上昇せず、本日の高値も抜けませんでした。追加緩和を受けてドル円が大きく円安進行する中で、突如復活した「円安=株高」の相関でしたが、日経平均の今期予想PERは16.3倍、TOPIXの今期予想PERは17.1倍に達し、もはや上昇の限界に達しつつあるということでしょう。次に予想される動きは日本株の大幅な下落であり、その下落の初期には理屈抜きで「株安=円高」という相関が復活し、ドル円は上述の調整となるでしょう。しかし、その相関はあくまでも初期に限られるでしょう。

 

ところで、日本では(特に証券業界では)大歓迎、高評価の日銀の追加緩和ですが、海外メディアの反応はかなり違います。海外では「大規模緩和一本槍では日本は良くならない。大胆な規制緩和を中心とする成長戦略が不可欠なのだが、安倍政権がそこに積極的に取り組む姿勢が見られない。(成長戦略という本質に手を付けず、追加緩和やGPIFの買い増しなどで株高を演出しても)時間稼ぎにはいずれ限界が来る。」という評価です。日本株が最高値圏にあるうちは、外人は自分の見方に自信が持てず、行動を取りにくいですが、きっかけは何でもいいのです。日本株が明確に下落すれば、中長期外人投資家は安心して日本株削減に動くでしょう。

 

と書いているうちに、日本株は急落してきました。円安進行でも日本株の上値が重いことが確認され、短期投資家が利食いの動きを取ってきたのでしょう。