ドル円はしばらくもみ合いか
ドル円は、昨日の日本時間に117.44円まで調整し、一時25日移動平均線を下回りました。同水準は11月下旬にもみ合った水準でもあり、テクニカル的にも調整十分な形となりました。これで短期需給調整、値幅調整は終了しましたが、大きな材料が出てこない限り目先は118-120円程度のもみ合いとなる可能性が高いと思います。
12月8日のコメントで、「5円幅でレンジを切り上げてきた動きのパターンが、今回崩れた」とご説明しましたが、今になって思えば、高値が120円近辺になるはずだったところに、ちょうど良いタイミングで非常に強い米国雇用統計が出てきて、ある意味余計な上昇があった、と解釈したほうがよさそうです。チャートでいうと、12月5、8、9日の部分が「余計」な部分です。この3日間が無かったとすれば、120円近辺での目先の高値形成という形になり、5円幅の法則はいまだに生きている、と見ることができます。
目先材料になる可能性があるのは、今週末の衆議院選挙と12月16,17日のFOMCが挙げられます。しかし、選挙は投票率が低い中予想通りの結果に終わる可能性が高く、FOMCは原油価格が大幅に下落しているため、米国でのインフレ懸念が議論になるとは思えず、どちらも市場変動要因にはなりそうもありません。株式市場が急落すれば、一時的に円高ドル安方向にレンジを抜ける可能性はありますが、今回の調整で短期需給調整はほぼ終了したと思われるため、値幅も滞留時間も限定的でしょう。
ドル円は、調整をうまく利用して買い下がり、その後はレンジを上抜けるまで何もしないか、ドルロング・ポジションの一部を使って、118円台前半は買い、119円台後半は売りというトレーディングをするかどちらかでしょう。いずれの場合も、次に120円を明確に抜けたら「次の高値は125円」という目線に切り替えるべきです。
日本株は、今日の12月SQ終了で、10月末の追加緩和以降続いている先物・オプション業者の空中戦も峠を越した可能性が高いと思います。しかし、今日の日中の値動きを見ると、空中戦はまだ続いており、本格的なカラ売り参戦は空中戦終了、すなわち日中の高値からの急落を待ってからにすべきだと思います。中国、ギリシャ、ロシア、原油価格動向など、株価下落に繋がり得る海外要因はそろってきました。そう遠くない将来にそれは起こる(空中戦は終わる)と思いますので、焦らずチャンスを待ちましょう。