FOMC終了
昨日米国で、FOMC声明が発表されました。利上げの時期についてどのような表現が使われるかが今回の注目点でしたが、これまでずっと使われてきた「相当な期間にわたって低金利政策は継続する」という表現が今回はなくなり、代わりに「利上げに対しては辛抱強く対応していく」という表現になりました。期間の保証はない、とした前回の声明での表現を、さらに強化し「利上げの時期は今後の経済データ次第」ということをより前面に出してきたと言えます。この声明を受けて、NY市場では株高、ドル高、債券安と、昨日までの流れと逆の反応になりました。これまでも、株安、ドル安、債券高という、いわゆる「リスクオフ」の流れをFOMCが変えたことは何度もありましたが、今回もとりあえずその形になりました。
最初に日本語の報道で「辛抱強く」対応していく、という表現を見て、感覚的にどうもしっくりこなかったため、原文を見たところ「patient」とあり、「辛抱強く」というよりも「焦らずに」と言った方がしっくりくるな、と思いました。声明とその後の会見を聞く限り、「1-3月には利上げはない。4-6月以降には状況次第で利上げがある可能性がある。」ということのようです。時期の見極めという問題はあるものの、次のアクションはQE4ではなく利上げ、ということに疑念を持つ人はいないでしょう。日米の金融政策の方向性は、やはり円安ドル高進行の強烈な後押しだと言えます。
中期的な円安ドル高トレンドは確認されましたが、目先は120円が重そうです。原油安やルーブル安の問題も依然存在します。しばらくは狭く言うと117-119円、広く言うと116-120円のボックスでの推移になりそうです。しばらくはこの想定レンジに沿って、小さめなポジションでのトレーディングもあり、だと思います。しかしひとたび120円を明確に超えてきたら「次の高値は125円」という目線に切り替えなければなりません。
ドル円がボックス圏内での動きを続けているうちは、日本株もボックス圏の動きになる可能性が高いと思います。まだレンジははっきりしませんが、日経平均で16,500-17,500円というところでしょうか。ドル円が120円を明確に超えてきた際には、初動では日本株もつられて上昇する可能性が高いと思いますが、その後徐々に円安株安の方向への動きとなっていくと思います。120円が許容の限界で、それ以上の円安は「過度な(よくない)円安」という意見が台頭しつつあるためです。円安になればなるほど日本株は上がる、といまだに主張している人もまだまだ多いですが、市場参加者はそんな馬鹿げた主張を信じる人ばかりではないと思います。おおざっぱに言って、ドル円が80円の時、日経平均は9,000円でした。それが今では120円、18,000円です。では180円の時、36,000円、270円の時、72,000円なんてことがあるわけないことは誰でもわかるでしょう。