「ものすごい違和感」がある昨日今日の日本株市場
昨日、そして本日、日本株は異様な強さを見せています。昨日は、米国株横ばい、ドル円が若干円安ドル高の中、日経平均は300円近い上昇、今日は米国株大幅下落、ドル円ほぼ横ばいの中、日本株は続伸して引けました。現物株にまとまった買いが入ってきている兆候は無く、昨日今日の買い主体は明らかに先物中心に売買する短期投資家と見られます。
しかしながら、これを「日本の企業業績と比較した日本株の割安感から、世界的に株価下落となる中で、日本株に見直し買いが入っている」と見るべきではないでしょう。米国ではすでに10-12月期決算発表が進んでおり、昨日はキャタピラーなどの業績が期待外れだったことから大幅下落となりましたが、日本企業の10-12月期業績発表は昨日今日から始まったばかりであり、「業績が予想以上の銘柄もあるが、同時に予想に達しない銘柄もあり、全体としてはさほど迫力は無い」という事実を織り込むのはこれからだからです。
中長期外人投資家が様子見を続ける中、あくまでも先物中心の高値でのボックスの動きの延長線上であり、今日の引け値はカラ売りを始め、売り上がっていく絶好のタイミングだと思います。
個別銘柄への投資は、大きな流れとしては順張りに徹し、逆張りで「ワケあり出遅れ銘柄」を買うべきではありません。2013年11月から業績を軸とした銘柄選別が進行してきており、株価が上昇基調をたどってきた銘柄は、言い換えると「業績好調なため選択された銘柄」であり、株価が低迷している銘柄は「業績が不調なため選別からふるい落とされた銘柄」だからです。中長期外人投資家が日本株全体を買い増す動きになっていない以上、選別からふるい落とされた「ワケあり出遅れ銘柄」を買う投資家はいないのです。
個別銘柄のカラ売りも同様です。株価が高値圏にいる銘柄は、「業績好調なため選択された銘柄」ですから、業績に変調をきたすまではなかなか売られません。そのような銘柄が業績に変調をきたした時が、株価は最も大きく下落するのですが、業績好調銘柄群のうち、どれが目先業績に変調をきたすのか、を当てるのは困難です。また、そのような銘柄にはすでにカラ売りが入っている場合が多く、カラ売りの買い戻しの連鎖で株価が思わぬ上昇をすることも多々あります。逆張りは危険です。