日経ヴェリタスの相場予想アンケート
年初発売の日経ヴェリタスに、恒例の「今年の相場見通しアンケート」が掲載されました。見出しには「日本株2万円の先」とあり、2万円超えはもはや既定路線とされているようです。これを見て思い出されたのが、古い話ですが1989年末から1990年初です。1989年末に日経平均は38,915円となり、1990年初には誰もが「40,000円は単なる通過点」と総強気でした。ところがご存じのように、38,915円は歴史的高値となり、バブル崩壊に突入し、日本株は大暴落する結果となりました。
その時と同様の感覚を覚えます。40,000円の根拠が無く、それまでの上昇トレンドを単に延長して考えたに過ぎなかった当時からは進歩し、20,000円は2015年度に企業業績が20%増となることが根拠とされています。しかし、現在の国内外の経済状況を考えれば、2015年度の20%増益予想の根拠は不明です。つまり、もっともらしい理屈をつけてはいるものの、1990年初と同様に20,000円の根拠はないに等しいのです。
アンケートに対する私の回答ですが、今年の話の前に昨年の回答を振り返ります。前回の回答は、日経平均高値16,500円(1月)安値9,000円(12月)、ドル円は高値99円(2月)安値125円(12月)でした。ただ一人の年末の円安株安予想でしたが、日本株に関しては見事に外れる結果となりました。日経平均とドル円の実際の高値安値は、それぞれ18,031円(12月)13,885円(4月)、100.76円(2月)121.85円(12月)でしたので、ドル円に関してはほぼ当たりました。日本株に関しては、6月以降の「官製相場に乗れ」との流れ、さらに10月末の日銀追加緩和以降のデリバティブの空中戦での買い上がりが、見通しが大きく外れた要因だと自己分析しています。
さて今回の私の回答は、日経平均は高値18,000円(1月)安値9,000円(12月)、ドル円は高値115円(2月)安値150円(12月)としました。日経平均高値は他に2名18,000円の方がおり、3者同列1位の弱気、安値はダントツ1位の弱気、ドル円安値もダントツ1位の弱気という内容でした。注目点としては、昨年は私以外に年末の円安株安を予想した回答者はいませんでしたが、今年は私以外に2名の回答者が年末の円安株安を予想していることです。ただ一人の変わり者が主張しているうちは「先走り過ぎ」で相場はその通りにならないかもしれませんが、「少数派」の見方に賛同する人が徐々に増える過程で相場はその通りになるものだからです。そしてそのような時は、実際の相場は最も極端な予想をも超えるものであることも頭の片隅に置いておくべきでしょう。つまり、実際には日経平均は9,000円をも下回り、ドル円は150円をも超えてくる可能性があるということです。