今後1-2ヶ月間の市場見通し
今回、現在の見方をまとめます。
前提となる考え方;
1.新興国経済成長の構造的減速、それによる商品価格の大幅下落が悪循環となり、今後、世界的に景気減速、企業業績悪化につながっていく。それを株式市場は8月から織り込み始め、世界的に株式市場はピークアウトから下落トレンド入り。
2.米国FRBは、QE4はなんとしても避け将来の利下げ余地を作っておきたいため、なるべくなら利上げをやりたい。一方日銀は、次回の再追加緩和は事実上「最後の弾」になるため、なるべくならやりたくない。結果、FRBは市場の混乱がなければ利上げ決定。日銀の再追加緩和には市場の相当の混乱が必要。
3.シリア問題(テロ、難民、ロシア軍機撃墜など)は拡大方向。折に触れ市場はリスクオフの反応(市場の押し下げ要因)。
シナリオA
-12月16日FOMCまで、市場の大きな混乱は起こらない。(ドル円、為替とも下値は限定的。)
-12月16日FOMCで利上げ決定。(ドル円は高値更新。日本株は年内反発。)
-年明けから利上げの悪影響を懸念し、新興国資産が大幅下落。世界的に株式市場下落。(ドル円にかかわらず日本株も下落。)
シナリオB
-12月16日までに市場が大幅下落。(きっかけとして考えられるのは、大手資源会社の経営破綻、資源国財政破綻、中国株大幅下落など。)
-米国の経済データは良好なため12月16日の判断は微妙に。
利上げを強行の場合、ドル円は高値更新、新興国資産下落加速。日本株はいったん反発するものの持続力はなく早晩失速。
利上げ見送りの場合、ドル円は120円割れ、日本株は下落加速。
「非常に大きな混乱」でない限り、FRBは12月16日に初回の利上げを強行すると同時に、次回の利上げは相当慎重に判断する、という声明を発表する可能性が高いか。