FOMCに向けてドル円は絶好の買い場
先週金曜日のNY市場で、原油価格が大幅下落し、直近安値を大きく更新したことを受け、米国株大幅下落、米ドル下落の反応となりました。ドル円でも大きく円高ドル安進行となり、日本株も大幅下落となっています。12月10日付のコメントでもご説明しましたが、ここ数日間の円高ドル安進行の背景は、短期投資家のポジション縮小、すなわち「リスクオフ」であり、原油価格下落と円高ドル安を結びつけるロジックがあるわけではありません。原油価格下落と株価下落には、12月8日付のコメントでご説明したように、論理的つながりはありますが、株価下落と円高ドル安進行の間にも、それらを結びつけるロジックはないことから、直近の円高ドル安進行はファンダメンタルズで説明できる要因はない、ということになります。
しかも、今週12月16日FOMCでは、きわめて高い確率で利上げが決められる、という状況であり、ファンダメンタルズからは円高ドル安進行どころか円安ドル高進行すべき状況です。ここ数日間の円高ドル安進行で、円ショート&ドルロングの短期筋ポジションは完全に整理されたと思われ、利上げ決定を受けて出尽くしで円高ドル安進行というリスクも消えました。市場が注目する来年の利上げペースに関しては、これまで通り「経済統計などを見ながら漸進的に(ゆっくりと)」という表現をそれ以上にハト派的に変えてくるとは思えず、12月16日FOMCでの利上げ決定を受けて円安ドル高進行の新たな波動が始まる、と考えて問題ないと思います。
日本株は、円安ドル高進行を受けて、目先は反発する可能性が高いものの、資源価格下落と新興国経済の減速、新興国資産下落のスパイラルの状況にはなんら変化なく、時間の問題で世界的な株式市場の新たな下落波動が始まる、と考えられます。下落波動の本番は年明け、次の下値めどは直近高値から15%下落の17,000円(9月29日の直近安値トライ)を想定していますが、10-12月期業績動向次第では更なる下落リスクが生じる可能性も考えられます。目先の反発狙いで日本株の買いポジションを取ったとしても、基本的にはFOMC直後で日銀決定会合前の18日前場までに、反発力が鈍く多少引っ張ったとしてもクリスマス休日前の22日までに、どんなに遅くとも年内にはポジション解消すべきだと思います。
株が下落波動入りする初期は、ドル円も円高ドル安に引っ張られる可能性が高いため、年明けはいったんポジションを縮小し、調整に合わせて買い直す、という対応が出来ればベストでしょう。