冬の珍事-今日午後の日本株とドル円の動き
今日の午後は、日本株、ドル円ともに激しい値動きとなりました。通常正午過ぎに発表される日銀決定会合の結果がなかなか発表されず、思惑を呼んでいたところに、まず「年間80兆円のマネタリーベース拡大を維持」と発表され、追加緩和がないということで日本株、ドル円ともに若干売られ始めた次の瞬間に、「買い入れ対象の国債の平均残存期間を、従来の7-10年から7-12年に変更」「買い入れ対象のJREITの購入上限を、発行済み口数の5%から10%に変更」「ETF買い入れ枠を3,000億円拡大」という内容が発表され、市場は追加緩和実施だと解釈し、日本株とドル円に猛然と買いが入り、更にパニック的なショートカバーにより、ほんの数分間で日経平均先物は500円以上上昇の19,880円、ドル円は1円円安ドル高の123.60円まで上昇しました。その後、「平均残存期間や購入上限の変更は、80兆円のペースを維持するためにやらざるを得ない変更」「ETF3,000億円の増額は、年間3,000億円の株式売却の見合い」であり、実は何の追加措置でもないことが判明し、日本株、ドル円ともに急落、急上昇した分、下落も起点以下まで深くなりました。
今日の激しい値動きで、短期投資家のポジションは売り方も買い方も相当整理されたと思われます。ポジション整理という市場を短期的に動かすエネルギーが放出されてしまったということで、目先は日本株もドル円も短期的なボラティリティーは低下すると思われます。しかし、ファンダメンタルズから来る底流の流れは、日本株は下落、ドル円は円安ドル高ですので、海外市場次第ではありますが、ゆっくりと底流の方向に沿った動きになる可能性が高いと思います。
その観点で言うと、現状水準(121円台)のドル円は買い増し、あるいは買い下がり始めの対応を取るべきだと思います。もちろん、余力管理には十分ご注意ください。