日経平均20,000円を付けたが見方は変わらず
昨日、日本株は引け際に先物主導で上昇し、ついに東京時間で現物(先物ではなくて)の日経平均が20,000円を超えて引けました。「日経平均20,000円回復で、今後は新展開へ」というような意見がありますが、私は「世界的に株式市場は戻り切った水準にあり、次の展開は再度の下落」という見方を変える必要はない、と考えています。
11月25日付のコメントでご説明したとおり、向こう2ヶ月間は、「12月16日のFOMCで利上げが決定され、それを受けて円安ドル高進行、さらにそれを受けて短期的には日本株は反発」「米国の利上げが各国(特に新興国)に与える悪影響を中長期投資家はクリスマス休暇中に考え、年明けから株式保有の削減に動き、世界的に株式市場は新たな下落波動に入る」という見通しを軸と考えています。
不確定要素は、中国株や資源価格が再度大幅下落するなどにより、12月16日までに世界的な株式市場の調整があるかどうかです。ただ、日本株に関して言うと、「米国利上げ→円安ドル高→日本株の上昇要因」という連想が残るため、もし調整したとしてもそう大きくは下落しない可能性が高いでしょう。日経平均は、200日移動平均線(現在19,444円)は下回るとしても、75日移動平均線(現在18,834円)を大きく割り込むかどうかは疑問、という程度ではないでしょうか。もちろん、世界的な株式市場の調整がないまま12月16日を迎える、という可能性もあり、その場合は200日移動平均線にも届かない可能性が高いでしょう。
したがって投資戦略としては、「12月16日までは世界的株式市場調整とそれに引っ張られて最大121円程度までの円高ドル安進行の可能性に備え、もしそれが起こった場合に買い下がれる体制を取る。それが起こらない場合は、12月16日直前にドル円、日本株ともに買いポジションを取り、日本株は年内にポジション・クローズ、ドル円は継続保有。」ということになるでしょう。