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2015年12月30日のマーケット・コメント

来年の相場見通し-有望な投資先、避けるべき投資先

 

まず、来年の相場を予想する上で前提となる、来年予想されるイベントは以下の通りです。

 

- 企業業績:中国を始め主に新興国の経済成長減速および商品市況の低迷から、1月半ばから2月半ばに発表される10-12月期企業業績は予想以上に不振。世界景気敏感業種中心に、今後の業績懸念広がる。4月半ばから5月半ばに発表される2016年度会社予想は減益予想になり、今後の業績懸念は更に強まる。

- FOMC:1月27日は政策据え置き、3月16日に2度目の利上げ、その後は状況次第だが、「出来るなら、出来るうちに利上げをしておきたい」というスタンスは維持。

- 日銀:1月29日は政策変更なし、3月15日は日本株が相当下落していれば参院選に向けて再追加緩和の政治圧力強まるが、直後の3月16日にFOMCが控えており動きにくい。6月15日は「自民党の参院選支援」があからさま過ぎる。したがって、再追加緩和は4月28日。

- 商品市況:「囚人のジレンマ」状態が続き、底這いないしは更なる下落。最終的には強制的な供給減少(資源産出業者の大型経営破綻)に。

 

以上を前提に、来年の相場は以下のように予想されます。

 

株式:1月(早ければ年明けすぐ、遅くとも業績懸念が広がる月後半)から2月に、世界的に下落。日経平均の下値めどは16,000円台。米国株が相対的に最も下落率が小さくなる。4月28日の再追加緩和や参院選に向けた政策期待から、日経平均18,000円程度まで5月前半にいったん反発。しかし深まる業績懸念から失速、再び下落基調になり、7-9月期に日経平均は14,000円程度まで下落。

 

ドル円:1、2月は株下落と3月利上げ観測の綱引き。3月16日の利上げまではボックス圏。レンジは119.50-123.50円を想定。利上げを受けて(あるいは3月前半に利上げを織り込んで)ドル高主導で125円越え。更に4月28日の日銀の再追加緩和を受けて円安主導で135円程度に。その後の展開は「いつ日銀の政策が実は財政ファイナンスだとみなされ始めるか」次第。それは円安主導での円安ドル高進行の加速要因。(為替だけでなく、株式中心に外人の円資産売り要因。)

 

債券:インフレ懸念は発生せず、またほかに投資先がないことから先進国の長期国債は堅調推移。特に、名目金利の高さに加え通貨の安定性から米国長期国債が人気化。米国のイールド・カーブはフラットニングが進む。新興国国債や低格付け社債(いわゆるジャンク債)は質への逃避が続き、大幅下落。

 

以上を前提に来年有望な投資先、避けるべき投資先です。

有望な投資先:米ドル、米国長期国債、米国REIT(ただし優良銘柄のみ)

避けるべき投資先:株式、信用リスクの高い債券、商品(金を含む)

 

もし株式口座だけで行うなら、米国株連動ETFと日本株インバースETFの組み合わせがいいでしょう。(米国株ロング&日本株ショートというペアトレード。)

 

今年もお世話になりました。来年も皆様にとって有益な情報を提供できるように努めますので、来年もよろしくお願いします。良いお年をお迎えください。