乱高下する米国株が示唆すること
最近、米国株が乱高下しています。NYダウは、1月22日の260ドル高から始まって、23日141ドル安、27日292ドル安、28日196ドル安、29日226ドル高、30日252ドル安、2月2日196ドル高と、1月26日を除くすべての営業日で100ドル以上の上げ下げとなっています。これは以下のことを示唆していると思います。
1.中長期投資家が動かない中、短期投資家がもっぱら順張りで売買している。
企業業績が迫力不足、バリュエーションに割安感がないなどから、中長期投資家は様子見姿勢であることが想像されます。中長期投資家は、これまでの「降りたら負け」が今も生きているのか、それとも「今度こそ降りるべき時」なのかを見極めようとしているのでしょう。
2.外部環境に株価が左右されやすい。
原油価格を始め、米国株式以外の要因に株価が左右されやすい状況、すなわち外部環境の変化を吸収するほどの力が米国株には無くなってきている、ということです。それはやはり、企業業績動向とバリュエーションとの関係に起因することでしょう。
結論として、下落相場入りする前の、いわゆる「高値波乱」の状態であると言えるでしょう。
また、乱高下しているということは、当然ボラティリティが上昇している、ということですが、ボラティリティの上昇はリスク・プレミアムの上昇(=バリュエーションの切り下がり)に繋がります。バリュエーションの切り下がりは、当然株式市場の下押し要因となります。米国株の変調は、当然日本を含む世界株式に影響します。
日本では10-12月期業績発表が続いていますが、これまでのところ予想に比べ良い銘柄悪い銘柄が混在しており、全体としてはほぼ予想通りという結果です。しかし今後は、2015年(日本の場合は2015年度)の企業業績動向と合わせて、世界的なバリュエーション切り下がりにも注意が必要です。