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2015年3月18日のマーケット・コメント

日銀決定会合終了&明日はFOMC

 

昨日、日銀決定会合が行われましたが、予想通り政策変更は何も無く現状維持でした。質疑応答でも、「原油価格大幅下落を受けて一時的にインフレ率は低下が予想されるものの、基調的なインフレ立ち上がり傾向に変化はない。出来るだけ早く2%達成を目指す。」と、前回同様のコメントを繰り返しました。今回の質問者の中には「2年を中心とする期間で2%達成、と言っていたのに3年以上かかる見通しだ。目標期間で達成できなかったことを認め、2年で達成できなかったら辞任すると言っていた岩田副総裁は辞任すべきではないか?」という過激な質問する人がいましたが、黒田総裁は全く動じずに上記回答を繰り返すのみでした。印象としては、向こう数カ月は政策変更は行わない、というものでした。

 

一方、本日NY時間午後(日本時間明日早朝)に、FOMC声明が発表されます。最大の注目点はやはり、利上げ時期に関する表現で「辛抱強く(patiently)」という表現が削除されるかどうかです。削除されれば「6月のFOMC以降での利上げ決定が可能」となり、削除されなければ「6月のFOMCまでは利上げは行わない」ということになります。削除されたとしても「6月の利上げが決定」ではないのですが、市場は6月の可能性が一段と高まったと捉え、為替市場ではドルの独歩高になる可能性が高いでしょう。削除された場合、米国株は目先は一旦出尽くしとなり反発するのか、下落して直近安値を更新するのか、微妙なところですが、上値が一層重くなることは間違いないでしょう。

 

ドル円は、削除されれば一気に高値更新の動きになると思いますが、短期投資家の円ショート、ドルロングのポジションが低水準なことを考えると、削除されない場合も失望で大きく円高ドル安になるとは思えず、最大の下落余地は75日移動平均線(119円は割らない)程度だと思います。

 

日本株は「材料株相場状態」が続いています。上へのモメンタムが継続しているうちは、あまりポジションを取ることなく静かに「高値圏での急落」を待つしかありません。(上手なモメンタム・プレーヤーなら買いから入って回転させる局面なのでしょうが、理論派プレーヤーの私にはとても出来ません。自分が出来ないことをお勧めするほど、私は蛮勇ではありません。)