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2015年3月2日のマーケット・コメント

GPIFの動向分析&2月後半からの日本株の買い手

 

12月末のGPIFの運用状況が公表されました。日本株、外債、外株の組み入れ比率は、それぞれ18.2%から19.8%、12.1%から13.1%、17.4%から19.6%に引き上げられ、国内債券は49.6%から43.1%に引き下げられました。10-12月期の市場変動を考慮して、買い増し額を逆算すると、日本株が1.8兆円、外債が0.9兆円、外株が1.9兆円となり、国内債券の売却額は5.8兆円と算出されます。日本株については、主体別売買動向によると、10-12月合計の信託銀行の買い越し額は約1.6兆円だったので、企業年金がやや売り越していたと考えると、完全に整合性が取れます。

 

GPIFは今後も10-12月期とほぼ同じペースで、資産配分の変更を進めていくと思われ、1-3月期にも同額の購入を行い、TOPIXやドル円など市場価格が3月末に現在と同水準だとすると、3月末の日本株、外債、外株の組み入れ比率は、それぞれ22.3%、13.4%、21.2%となると推計されます。日本株、外債、外株の基本組み入れ比率は、それぞれ25%、15%、25%ですので、10-12月期と同じペースで変更を続けるとすると、今年の9月末には変更完了となる見通しで、これは基本組み入れ比率変更の際に「変更は1年程度かけて行う」としたGPIFのコメントと符合します。

 

ところで、今年に入ってからの主体別売買動向ですが、2月第2週までは引き続き信託銀行の買い越しが突出し、2月第2週までで約7000億円の買い越しでした。ところが、明らかに相場つきが変わった(日本株が米国株やドル円の動きに影響されることなく上昇を続けるようになった)2月第3週の主体別売買動向を見て、様相が変わっていることがわかりました。2月第3週の信託銀行の買い越し額はわずか434億円で、その代わりに外人投資家が先物を1兆円近く買い越していたのです。つまり、日経平均18,000円から上はGPIFではなく、外人の先物買いによって押し上げられていたということです。

 

「主に外人の先物買いによって、外部環境に影響を受けずに、ほとんど押し目なく日本株が上昇」という状況は、2013年の4月、5月と同じです。その時の上昇相場の終わり方(5月23日の急落)と同様、今回の上昇相場も「高値圏での急落」で終わる可能性が高い、ということです。言葉を変えると、高値圏での急落があるまでは、短期間のうちに上に値幅が出やすい状況が続く、ということですので、その現象が起こるまでは見切り発車でカラ売りを入れるのは危険です。高値圏での急落を待ち、いざそれが起こったら下値を売り叩く準備をすることをお勧めします。ここからの上げ幅がどれくらいになるかは何とも言えませんが、高値圏での急落という「現象」が起こる日はそう遠くない、と思います。「数カ月のうちに」という時間感覚ではなく「数週間のうちに」という時間感覚です。ただし、GPIFにはまだ9月末までは買い余力があるため、一気呵成に下落するのではなく、急落一巡後にはGPIFが買いを入れ、徐々に戻りを試す展開になる可能性が高いでしょう。さらにその後の展開は、2015年度の企業業績見通し次第です。

 

ドル円のシカゴ投機筋ポジションは、アベノミクス相場始まって以来の最低水準を更新してきました。なんらかのきっかけにより、5-10円の値幅(125-130円に達する)で円安進行する素地は整っている、と言えます。今週の米国雇用統計、18日のFOMC声明などが、そのきっかけの候補です。おそらく、日本株が急落しても潜在的円買いエネルギーは少ないため、最初の瞬間を除くとドル円はほとんど影響を受けないと思います。