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2015年4月10日のマーケット・コメント

日経平均20,000円-バフェット指標で見る割高度

 

本日、日経平均は一時20,000円台を回復しました。日経平均の水準だけを見ると「20,000円といっても、1989年高値のまだ半分強。まだまだ上値余地はある。」という強気派の意見はもっともらしく聞こえてしまうのですが、バフェット指標(株式市場の時価総額のGDPに対する比率)で見ると、その議論は全くおかしいことがわかります。

 

インターネットで「バフェット指標」を検索すると解説が出てくると思いますが、一言で言うと「株式市場時価総額がGDPを超えるとかなり割高であり、その後大幅な下落がある」ということです。統計が取れる範囲で、東証1部の時価総額がGDPを上回ったことは2度しかありません。1987年-1990年のバブル期(ピークのバフェット指標148%)と2006年-2007年(ピークのバフェット指標106%)です。

 

昨日時点で東証1部の時価総額は580兆円、GDPは490兆円ほどですので、バフェット指標は118%と、すでに2006年-2007年のピーク水準を大きく上回り、1988年と同水準に達しています。日経平均で言うと、25,000円を超え30,000円を目指していた頃です。(しかも当時は、GDPが今と比べ物にならないくらい成長していました。)

 

1988年当時は、バフェット指標というものは無く、誰もいかに割高かを感じられずにいたはずです。しかしバフェット指標というものを知り、学習した現在ではいかに割高かを理解できる人は少なくないはずです。おそらく、明確に日本株(だけではなく世界株)がピークアウトしてきたら、この指標がにわかに注目され始めるのでしょう。