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2015年4月2日のマーケット・コメント

米国株は崩れる前兆?

 

昨日米国で発表されたADP雇用統計が予想よりも弱かったことを受けて、早期利上げ懸念が後退したとして、NYの為替市場ではドル安の反応になり、対円でも円高ドル安となりました。「早期利上げ懸念の後退」=「ドル安」という反応はこれまでと変わらないものです。しかし昨日の米国株の反応はこれまでと違います。早期利上げ懸念の後退は、これまでは株式市場にとっては好材料でした。ところが昨日は、株式市場は「弱いADP雇用統計」=「景気が予想よりも悪い」と捉え、株価は下落したのです。

 

相場の腰が強い時は、ニュースフローをとかく好材料視します。「経済指標が弱い」=「緩和的政策が継続」=「株高」、「経済指標が強い」=「景気回復の足取りが強い」=「株高」という具合です。その背景には、とにかく株を買いたいという多くの投資家の意向があり、ニュースフローに背中を押してもらい株を買う決断をする、という動きがあります。

 

しかし昨日の米国株の反応は逆でした。「早期利上げ懸念の後退」という、これまでは好材料視していたニュースフローを悪材料視したのです。「経済指標が弱い」=「景気回復の足取りが弱い」=「株安」です。早期利上げ懸念の高まりに対する反応が、これまでと同様ならば「経済指標が強い」=「早期利上げ懸念の高まり」=「株安」となるはずであり、ニュースフローを悪材料視する動きが始まったと言えます。

 

これは、とにかく株を売りたいという多くの投資家の意向があり、ニュースフローに背中を押してもらい株を売る決断をする、という動きが背景にある可能性が低くありません。もしそうであれば、米国株が本格的に崩れるのも時間の問題、ということになります。

 

日本株は先物中心の激しい上昇下落が続いており、ドル円とも米国株とも全く関係ない動きをしています。しかし米国株が本格的に崩れたら、さすがにそれを無視し続けるわけにはいかなくなるでしょう。世界経済は繋がっており、日本企業もその一部なわけですから。