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2015年4月23日のマーケット・コメント

連騰の日本株-2年前を想起

 

今週初から日本株は連騰して、日経平均は2000年以来の20,000円台乗せとなっています。欧米株式市場や為替市場など、外部環境を無視して上昇を続ける状況は、2年前と似ています。2年前の2013年は、ゴールデンウィーク明けから外部環境を無視する上昇が始まり、日経平均は14,000円割れからほとんど押し目の無い上昇となり、13営業日目の5月23日場中に16,000円寸前まで付けた後、急落で上昇が終わりました。

 

2年前がそうだったように、今回もファンダメンタルズでの環境変化のない中での急上昇であり、短期投資家中心の回転売買で株価が押し上げられています。以前からご説明しているように、回転売買主導の一方的な相場は、何の前触れもなく、そしてきっかけらしいきっかけもない中で突然終わります。したがって、株価水準で高値を予想するのは困難です。では、高値を付ける時期の予想についてはどうかということですが、2年前と今回で明確に異なることがあります。それが時期を予想する手掛かりになりそうです。

 

2年前と明確に異なることとは、企業業績の回復フェーズの違いです。2年前は2012年度の業績底打ちから2013年度の大幅増益の入り口であり、各企業は本決算発表の際に2013年度の大幅増益予想を打ち出してきました。つまり、会社予想発表が株価上昇の邪魔になりませんでした。しかし今回は、2013年度大幅増益、2014年度小幅増益ながらも過去最高益達成企業が少なくない、という状況に続く2015年度業績見通しです。しかもアナリスト・コンセンサスの2015年度予想は、ずいぶん強気な数字となっています。

 

各企業が当初は慎重な会社予想を出すことは想定しているとしても、それが株価をさらに押し上げる要因にはならないでしょう。つまり、今回は慎重な会社予想の発表が、株価上昇の阻害要因になる可能性が高いのです。実際に、すでに慎重な会社予想を発表した、安川電機(6506)、東京製鐵(5423)、JSR(4185)は発表を受けて株価下落の反応になっています。慎重な会社予想自体は、それが市場全体の株価下落の要因となるほどの悪材料ではなくても、株価が上げ止まったと見るや売りに転じてくるのが短期投資家です。

 

高値を付けると予想される時期ですが、結論から言うと5月7日か8日、つまりゴールデンウィーク明け直後です。来週から決算発表は本格化します。来週1週間かけて「やっぱり会社予想は慎重な数字なのだ」ということが市場に浸透していくわけですが、週末に5連休を控えるため、週末にかけて短期投資家は過度にリスク回避の動きを取ると思われます。その過度なリスク回避のいわば打ち返しが連休明けに起こり、連休直後に高値を付けるのではないか、というロジックです。「高値圏での急落」があれば上昇終了がはっきりしますが、2013年5月23日のように高値を付けると同時に急落とは限らず、急落は高値を付けて数日たってからということも考えられます。