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2015年4月9日のマーケット・コメント

FOMC議事録&日銀決定会合

 

昨日NY市場で3月18日のFOMC議事録が発表されました。内容のポイントは、「6月利上げの可能性を排除しないこと」「初回の利上げ以降に利上げを急ぐことは無いこと」「すべてのスケジュールは今後の経済統計次第であること」がメンバー内で確認されたことです。これは3月19日付のコメントでご説明した、私の想定に沿った内容です。

 

初回利上げの時期についての市場予想は、6月17日、7月29日、9月17日にかなり絞り込まれていました。(中にはまだ、年内の利上げは無い、という予想もありますが。)以前もご説明したように、私は初回の利上げは6月17日になる可能性が最も高い、と考えています。初回の利上げをFRBが早期に行うだろうと考える理由は、もし今後米国以外の経済失速が原因で、米国でももう一度金融緩和措置を取らなければならなくなった時に、QE4は何としても避けたく、その時に「利下げ」をする余地を作っておきたいとFRBは考えているに違いない、と思うからです。

 

QEはFRBのバランスシートを膨大させる、非常に危険な政策であることは、FRBもそして今や上下院両院で過半数議席を持つ共和党も、強く認識しているはずです。変な表現になりますが、FRBとしては「利上げできるうちに利上げしたい」と考えているはずです。そうは言っても、初回の利上げが行われても、その後に機械的継続的に利上げをするのではない、ということをアピールするために、利上げ決定の次のFOMCでは利上げをしないでしょう。その後は、雇用統計とインフレ統計次第で、次の政策変更がなされることになるでしょう。

 

また昨日は日銀決定会合が行われましたが、やはり政策変更なしでした。しかし、インフレ率2%達成の道程に関して、多くの質問がなされ、黒田総裁は回答するのに苦しそうでした。日銀はいずれ再追加緩和をせざるを得なくなるでしょう。しかし「必要なことはすべて盛り込んでいる」という当初からの表明と齟齬をきたさないために、追加緩和は秋(9月15日、10月7日、10月30日、11月19日のいずれか)になると思います。2014年10月末の前回追加緩和からある程度間を開けないと、いくら原油急落という想定外の出来事があったとしても、「必要なことがすべて盛り込まれていなかった」という批判を受けてしまうからです。

 

上記の想定が正しければ、ドル円は夏から秋に円安ドル高加速、となるでしょう。しかし目先は、6月に実際に利上げがあるまでは高値更新は難しいと思われ、119円近辺は買い、121円近辺は売り(ポジションを軽くする程度)が機能しそうです。ただし6月を待たずに高値更新したら頭を切り替える必要がありますので、その点はご留意ください。