利下げに上昇で反応しなくなった中国株-世界的株価下落は近い
昨日、中国では昨年11月、今年3月に続き3度目となる更なる0.25%の利下げが決定されました。中国株の大型上昇相場が始まったきっかけとなったのが、昨年11月の利下げだったわけですが、昨日の利下げを受けても本日の中国株は上昇で反応しなくなっています。取引開始30分後(日本時間午前11時)の段階で、上海総合指数は横ばい、香港のハンセン指数は小幅上昇にとどまっています。これまでの流れだったら、利下げを受けて大幅上昇しているはずですが、さすがに中国株も「利下げによる官製バブル相場」もそろそろ限界ということだと思います。近いうちに急落があっても全く不思議はありません。(2015年4月28日付コメントもご参照ください。)
一方、米国株は先週末、「ちょうどよい」強さの雇用統計発表を受けて、大幅上昇し最高値に迫っています。しかし、企業業績に迫力がないことやバリュエーションに全く割安感がないことは変わっておらず、高値を更新していく可能性よりも上値の重さが確認される可能性の方が断然高いと思われます。米国株が高値圏でのボックスの動きだとすれば、現在の米国株はボックスの上限近くにあり、次は何らかのきっかけで下値確認の動きになると思います。
今週は、欧州でギリシャ問題に関してECBの会合があります。また、5月13日には米国で注目指標の一つである小売売上が発表されます。それらが「きっかけ」の候補でしょう。利下げでも中国株が上昇せず、米国株は上値が重い展開となれば、日本株も更なる上昇は望みにくいでしょう。日経平均で言うと、ちょうど本日25日移動平均線に頭を押さえられた形になっており、このまま25日線を超えられなければテクニカル的にも下落基調継続、となります。
日本の企業業績発表も佳境を迎えていますが、全般としての迫力不足に加え、東芝(6502)、シャープ(6753)の大ネガティブ・サプライズが出てきました。市場全体に、上値を買い進みにくいセンチメントが今後高まっていくと思われ、下落に備える必要があると感じます。日経平均が19,000円で、またサポートされるのか、今度は下回るのかは見極めが必要ですが、少なくとも19,000円近辺までの下値はみておくべきだと思います。