ドル円完全に上抜け
一昨日のコメントで、
「市場は「6月利上げ予告、9月利上げ決定」というシナリオを織り込み始めた可能性が高いです。まだ年内利上げはないという意見も多いため、6月のFOMCまでは経済指標に一喜一憂する展開が続き、一気に円安ドル高が進行するということは考えにくいですが、あまり押し目を欲張るべきではない状況であることは確かでしょう。」
と書きましたが、昨日ドル円は直近高値である122.04円を更新、更に123円台突入と完全に上抜けしました。米国では株安、短期金利上昇となっており、明らかに早期利上げを織り込み始めました。
一昨日のコメントでご説明した、先週末のイエレンFRB議長の発言に加え、ニューヨーク連銀総裁の「市場が利上げ時期を織り込まないうちに、唐突に利上げを行うことは無い」という発言を合わせて考えると、やはり利上げのメインシナリオは「6月予告、9月実施」だと思われます。
ただ、これまでのドル円の動き(動き始めると一気に水準訂正)を考えると、9月まで時間をかけてゆっくりと市場が利上げを織り込む、すなわち円安ドル高がゆっくりと進行するということは考えにくく、6月17日のFOMCまでに織り込みが進み、FOMC声明で一旦仕上がる可能性が高いと見るべきでしょう。それまでもし押し目があったとしても、これまでのレンジの上限だった120円台半ばが目いっぱいだと思います。また、新たなレンジの上限がどの水準になるのかも定かではありません。リーマンショック前の高値124.14円、5円刻みの125円、直近安値から9円幅の127円のいずれかだとは思いますが。
新たなレンジが定まり、どの水準を押し目として狙えるかわかるまでは「大台変わり記念買い」で付いていくしかないでしょう。
ところで、日本株は欧米株下落にもかかわらず本日も上昇しています。利上げの織り込みにより欧米株の下落基調が続けば、日本株は近いうちに「まとめて下落」すなわち急落すると思います。