6月FOMC終了
昨日米国でFOMC声明が発表され、イエレンFRB議長が会見を行いました。内容は従来のものと同様、つまり「年内に初回の利上げを行う」「初回の利上げの後、継続的機械的に利上げを行うことは無い」「利上げペースおよび利上げ幅は今後の経済データ次第」というものでした。また、FOMC参加者17人の2015年末の予想FFレート中央値は前回(3月)と同じ0.625%(年内に0.25%の利上げを2回実施)でしたが、2016年末の予想中央値は前回の1.875%(2016年中に0.25%の利上げを5回実施)から1.625%(2016年中に0.25%の利上げを4回実施)に低下し、FOMC参加者が2016年の利上げペースをより緩やかなものになると予想していることが示されました。これは長期金利上昇リスクを意識し、市場が過度な反応をすることに対するけん制だと思います。
これまでの言動を見る限り、イエレン議長は明らかに市場にサプライズを与えることを嫌う性格です。そのため、ほとんど誰も予想していない「6月利上げ実施」はやはり避けました。昨晩(FOMC声明発表前)のCNBCによると、米国のエコノミストに対するアンケートで、92%が年内利上げ実施を予想しており、大半が9月実施を予想しているそうです。つまり、「9月に利上げを実施しない」ということはサプライズになりますので、ほぼ9月利上げ実施で確定したと見ていいでしょう。
日銀の追加緩和がない限り、9月17日に利上げが実施されるまでは、ドル円は122.50円-125円(123-124.50円が中心)のボックスでの推移となると思われます。9月利上げという可能性が一層高まったことにより、円高方向への調整は限定的だと思われます。一方、一昨日黒田日銀総裁は、参院財務金融委員会で先週の「円安進行けん制発言」の火消し弁明を行いましたが、市場にはしばらく「125円の壁」という意識が残りそうだからです。
ところで、日本株は動きが怪しくなってきました。もはやドル円と全く相関が見られないのは驚くに値しませんが、昨晩は米国株がプラス圏で推移する中、日経平均先物は弱含み、さらに本日も下落しています。これまで下げ渋っていた分を一気に調整する動きになる可能性が高まってきたと思います。明日、日銀決定会合がありますが、おそらく政策変更は無いと思われ、それを受けて日本株は一段と調整となるのではないでしょうか。