中国株大暴落-バブルは崩壊へ
2日連続で中国ネタで申し訳ありません。中国株が大暴落しています。上海総合指数は、昨日3.5%下落した後、本日は16時時点で7.4%下落となっています。これで高値から19.0%下落となり、もはや高値は更新できず、ピークアウトし下落トレンド入りしたと見ていいでしょう。CSI300先物は16時時点で、前日比10%下落のストップ安売り気配!です。
中国株市場の信用買い残は約45兆円と、日本のおよそ10倍あります。売買代金も日本のおよそ10倍です。人口が日本の10倍だから当然だという話ではなく、中国株式市場の時価総額は約1,000兆円(6月25日時点、本日の下落分を加味すると約xx兆円)です。日本の時価総額をベースにすると、信用買い残が30兆円、売買代金が20兆円というイメージです。いかに投機色が強い状態かということがわかります。
昨日のコメントでも指摘した通り、中国経済は成長減速が続いています。統計上はまだプラス成長ですので「成長減速」という表現を使いましたが、実体的には「後退」つまりマイナス成長になっている分野も少なくないでしょう。その状況での株高は、資産効果を通じて消費の下支えなど、景気押し上げ効果が少なからずあったと推察されます。しかし、株高バブル崩壊で株大暴落となれば、逆資産効果を通じて景気に大きな悪影響を及ぼします。
中国株市場は、外人投資家への参入規制があるため、市場参加している外人投資家は限られ、中国株下落からの直接被害は限定的です。しかし、逆資産効果を通じて中国経済悪化が加速することからは、世界経済は多大な悪影響を受けます。「中国関連ビジネス」を展開する日本企業の業績にも当然悪影響を及ぼすばかりでなく、インバウンド重要にも影響を与えます。
ところで、今週の日本株は、欧米株の軟調な動きや中国株の大暴落をしり目に、相対的には大変堅調でした。しかし、その状態が長続きするとは思えず、早晩帳尻を合わせる動きになると思われます。ただ、来週ギリシャのデフォルトという材料で売られたところは、いったん買いだと思います。6月23日のコメントでご説明したように、融資を引き出さなければギリシャ財政は回らないのは変わりようのない事実で、デフォルトを受けて可及的速やかに融資を引き出すために、ギリシャ国内は妥協せざるを得なくなると思われるからです。